ビタミンとかミネラルなどの、各栄養素の基準はこうして決まっている


偏食だと足りているのか不安になる各種栄養素。日本人にとっての理想の基準ってどうやって決まっているの?

そんな疑問にお応えします。

日本人の理想の栄養素基準

日本では「日本人の食事摂取基準」というものを厚生労働省で作成しており、日本人が生活習慣病の予防できるように、各種栄養素の基準値を定めています。

この基準は社会状況の変化を反映しながら5年ごとに改定されます。2019年の現在は、2015年に作成された、2015年版が最新のもので、次に改定されるのは2020年です。

栄養士が献立を作る時は、この食事摂取基準を元に、必要な各栄養素がとれるように献立を立てています。

この基準は、健康な人だけではなく、保健指導レベルの方にも使えます。すでに病気を持っている方にも、この基準を元に各治療ガイドラインを作成する事になっています。

どんな栄養素の量が定められている?

大きく分けると二つ。まず一つは熱量、つまり必要なエネルギー量。二つ目は栄養素の量。この栄養素の量は、数ある成分の中から、不足すると健康を害するものや、逆にとりすぎるど健康を害するものをピックアップして定めています。

具体的に何の栄養素が定められているかというと、まず不足すると体に影響があるものたちが次の通り。

欠乏が国民の健康の保持増進に影響を与えているものとして厚生労働省で定める栄養素
・たんぱく質
・n-6系脂肪酸、n-3系脂肪酸
・炭水化物、食物繊維
・ビタミンA、D、E、K、B1、B2、ナイアシン、ビタミンB6、B12、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC
・カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン

日本人の食事摂取基準2015年版 厚生労働省

不足で困るといっても、とりすぎにはやはり注意が必要です。とりすぎて害があった報告があるものは、上限値が定められているものもあります。

次はとりすぎて健康を害している栄養素です。

過剰な摂取が国民の健康の保持増進に影響を与えているものとして厚生労働省で定める栄養素
・脂質、飽和脂肪酸、コレステロール
・糖類(単糖類又は二糖類であって、糖アルコールでないものに限る。)
・ナトリウム

日本人の食事摂取基準2015年版 厚生労働省

もちろん、先程と同じで足りなさすぎるのも問題です。ただ、過剰な摂取が影響している事が昨今では多いという事です。

いずれの栄養素量も、日本で発表されている膨大な量の論文を検証し、食事摂取基準策定検討会で策定したものです。2015年版は数万の論文を検証し、1857の論文に絞って参考にして作られました。

日本で唯一の科学的根拠にもとづいた栄養素基準といえるでしょう。

しかし、策定検討会の方が述べられているように、弱点もあります。科学的根拠が乏しい分野もあり、その場合は正直に「根拠は乏しい」と記述されています。

栄養学は他の学問に比べて新しく、まだまだ発展途上であるため、致し方ない点です。

私は個人的に、ちょうど偏食の我が息子が該当する幼児期の栄養について、違和感を感じています。

偏食児が成人した後に、どう偏食が影響して健康に問題が出たか、そうした追跡調査は出来ないのが現状です。でも、大人の必要量を参考にしたりして基準値を定めています。

例えば、5歳までの小児については、食物繊維の必要量がありません。(ビタミンミネラルはあります)

にも関わらず、「野菜を食べさせなくてはならない」「野菜を食べないと便秘になる」という強迫観念のようなものが働き、世のお母さん達はハンバーグに混ぜ混んだり、ホットケーキに混ぜたり、ごまかしごまかし野菜を食べさせなくてはと悩みます。

基準値がないという事は、子どもの個人差に合わせて調節すればよいという事ではないでしょうか。食べられない子は練習期間ととらえて、毎日無理せず少しずつ挑戦していけばよいのではないでしょうか。

かくいう私も、こっそりほうれん草の粉末をカレーに入れたりしていました。人参をすりおろしたものをホットケーキに入れたりしました。

子どもに「今日は野菜入ってる?」「なんか今日のホットケーキはちょっと違う」なんて言われても、「気のせいだよ」なんて嘘を言って心が痛くなりました。

それほど悩んでいたのです。でも今は、私が食べていたスティック人参(生)を一緒に食べ出しました。ごまかす必要なんてなかったなと思いました。

わからないで食べていれば、栄養素はとれるけれど、本人に自覚はありません。自覚しながら食べられるようになるには、きっとすごく時間がかかります。

でも、出来なかった逆上がりが出来るようになるように、いつか苦手な野菜も食べられる日が来ると信じて。今日も人参をかじったのでした。