AIや自動化で、今後栄養士はどうなる?求められる能力は?

AIイメージ 食と健康

AIや様々な作業の自動化で、なくなるだろうと言われる職業をよく耳にします。

果たして栄養士は今後なくなるのかそうでないのか、栄養士の私としては気になるところです。

栄養大学の先生や日本栄養士会の先生から伺った話を元に、私なりに今後求められる栄養士はどのような栄養士か考えてみました。

これから栄養士を目指す方、現在栄養士として働いている方に参考になると思います。

AIが自動認識して栄養相談をする時代

「すでに画像認識のAI技術を用いて、食事の写真から自動的に栄養計算がなされるアプリが開発されています。私たち管理栄養士の業務の核である栄養診断もAIが行うようになるのかもしれません」

— 日本栄養士会会長 中村 丁次氏

日本栄養士会ホームページ上で、このように述べられています。私も、少し前からそうなるんじゃないかと危機感を抱いています。

また、あるビジネス雑誌で掲載された「2040年に伸びる医療職」という特集の話も出ていました。管理栄養士は、需要が伸びる職種として第9位にランクインしているものの、需要が減る職種にも第8位にランクインしているのです。今後伸びるかの伸びないか、その過渡期に今現在来ていることが分かります。

これから、栄養士がやっぱり必要だと思われるか、AIの栄養相談でいいじゃんと思われるか、私達の行動次第で行く末が決まりそうです。

どうすればAI・自動化の波に乗れるか

中村先生は、AIを「頑固な専門家」と例えました。この「頑固な専門家」を味方にしながら(活用しながら)私達栄養士は、今後どのように仕事をすれば良いのでしょうか。

ディープラーニング協会理事の佐藤聡氏は、現在のAIについてこのように説明されました。現在のAIは、ある仕事を何度も訓練してやっとできるようになる特化型であり、汎用的な仕事はできないと言います。

例えば、AIが栄養バランスのとれた献立を何通りも学習して、完璧な献立を作成できるようになったとします。(特化型)でも、ちょっと栄養バランスを崩してでも、いつもと違うメニューを出してあげたいというような、相手の気持ちに寄り添ったような献立作成は、今のAIには出来ないということです。

AIの欠点の一つは、「共感」出来ないというところのようです。

そんなAIをうまく活用し、AIですむところはAIに任せ、AIですまないところは人の栄養士が対応するというのが、未来の栄養士の姿になりそうです。

AIはどうやって作られる?

AIの特徴である「特化型」の部分で急速な発展を遂げている技術の一つが「ディープラーニング(深層学習)です。

例えば、私達は道で猫を見れば「あ!猫だ」とすぐ分かります。でも、これをロボットにさせうるとなると、とても大変な作業です。まず、猫と言っても、色々な色の猫がいます。また、耳の大きさや形、模様の違い、毛の長さ、種類によって様々な猫がいます。人はどんな種類の猫でも、すぐに「猫だ」とわかるのですが、ロボットには全ての種類の、あらゆる角度から見た猫の画像データがないと、「猫だ」と分かりません。

そこで、全世界の猫画像を集め、膨大な量のデータをロボットに覚えさせます。そうして、ようやく「これは猫です」と言ってくれるようになります。間違えて「これはライオンです」と言ってしまうかもしれません。そしたら、またライオンっぽい猫の画像を学習させて、これはライオインじゃなくて猫なんだよと教えてあげなくてはなりません。

こうして、医療の現場ではすでに「ガンの診断」などに利用されています。部位によっては医師が判断するより、正確に判断できるとも言われます。でも、医師が不要かというとそうではないですよね。そういう感じで、栄養士も栄養相談の際に「診断」「献立作成」などをAIにしてもらって、患者さんの気持ちに寄り添った提案を人の栄養士が出来れば良いのではないでしょうか。

AIと分業しながら働いていくという視点が必要です。

AI専門管理栄養士が必要かもしれない

猫の例でも言いましたが、AIに的確な栄養計算もしくは献立作成をさせるには膨大な量のデータが必要です。現在もすでにそうしたソフトが開発されていますが、まだまだ精度は問題があります。

そこで、これからはAI専門の管理栄養士が必要になるのではないかと、ディープラーニング協会理事の佐藤聡氏は言っています。

データありきの技術なので、元となるデータが良くなければAIも良い答えを出すことは出来ません。そこで、適切なデータを選び取るという作業が必要なのです。そこにAI専門管理栄養士の活躍が期待できるのではないでしょうか。

適切なデータを選び取るのは、栄養士・管理栄養士もすでにしている作業です。そこを読み取る能力が今後は必要になってくるでしょう。

AIを作る人材が不足している

私もAIに詳しい管理栄養士が今後は必要だと思っていました。

先日、工学部の先生が似たような話をされていたのを思い出します。これからはAIに使われる人ではなく、AIを作る側の人になって欲しいと言う話でした。そして現在、そういう技術者が足りていないという話もありました。

2017年グローバル人工知能人材白書によると、AIの技術開発を行う技術者の人材が、世界で約70万人不足しているということです。AIを作る側の人材も、AIを使いこなせる人材も圧倒的に足りないのが現状のよう。

栄養士も今後はAIの分野を勉強するべきターニングポイントに来ているように感じます。

超高齢社会がチャンスに変わる

日本は世界に先駆けて超高齢社会を迎えています。もしヘルスケア部門でAIを積極的に活用し、豊かに生きられる社会を率先して構築できるチャンスでもあります。

医療従事者がAIに通じれば、たくさんの患者さんデータからより健康寿命を伸ばし、豊かな老後生活を送ることができるヒントが見つかります。それは、世界の人から見ても魅力的な情報技術となるに違いありません。

AI専門管理栄養士になりたい

この「AI専門管理栄養士」という言葉を見た瞬間、「あ、なりたい!」と思いました。

私は栄養士でありながら、パソコン系の話題が大好きです。大好きすぎて、息子を妊娠中、大きなお腹を抱えて秋葉原を歩きまわり、パソコンを自作したりもしました。現在もHTML言語を学びたかったのも、ブログを始めた理由の一つです。「AI専門管理栄養士」なんて聞くと、ワクワクしてしまいます。

同じようにワクワクした方もいるかもしれません。でも、どういう道があるのか、どうしたらなれるのか等、今現在の私にはよく分かりません。また分かったらブログに書きたいです。

きぶんやママ
きぶんやママ

AIを作るチャンスがあることが分かりました。作らなかったとしても、AIを利用しながら働く術を身につけて行きたいですね。

参考:日本栄養士会ホームページ

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