地中海食とはどんな食事?本当に究極の健康食なのか管理栄養士が解説

地中海食はどんな食事?本当に究極の健康食? 食と健康

近年、「地中海食」が健康に良い食事法として注目を集めています。「究極の健康食」ともてはやされているようです。

確かに地中海食をとる人たちの住む地域は、世界でも長寿地域とされており、その食事法に秘密があるのではないかということで研究が進んでいます。

では、地中海食ってどういう食事だと思いますか?と尋ねると、「オリーブ油を使ったり、ワインを飲んだりするやつでしょ?」くらいの認識の人が多いのも事実。

管理栄養士の筆者からすると、地中海食がどういうものか分かっていない人が多いなと感じます。

そこで今回は、地中海食がどういう食事で、何に良く、それを日本で実践する場合はどうすれば良いか、管理栄養士の目線で解説します。

地中海食に興味のある人、健康的と言われる食事はどういうものか知りたい人におすすめの記事です。

地中海食とはこんな食事

地中海食

健康的な地中海食とは、ギリシャ南方の地中海に浮かぶクレタ島の人々や、イタリア南部、スペイン南部などの地中海沿岸で伝統的に食べられている食事スタイルを指します。

栄養疫学者の佐々木敏さんは論文を元に、以下のように地中海食の定義を示しました。
※論文元:Serra-Majem L Does the definition of the Mediterranean diet need to be updated? Public Health

【地中海食の定義】
植物性食品が豊富であること
 (果物、野菜、パン、その他の穀物製品、豆類、種実類)
加工度を最小限にとどめた、季節折々のその地域で育てられた新鮮な食品を使うこと
●典型的なデザートとして新鮮な果物を食べること
(ただし、お祭りの日にはナッツ類、オリーブ油、精製した砂糖またははちみつでできた菓子類を食する)
●油脂類の主たる摂取源としてのオリーブ油を用いること
●少しか適量の乳製品(おもにチーズやヨーグルト)を食すること
●卵の使用は週に4個未満であること
赤身肉の使用はまれであり、少量であること
●少しか適量のワインを、普通は食事とともに飲むこと

佐々木敏:栄養データはこう読む!疫学研究から読み解くぶれない食べ方 第2版 女子栄養大学出版部より引用

「オリーブ油を使うこと」「ワインを飲むこと」は、健康的な地中海食のほんの一部であり、他の要素が特に大切だということを覚えておいて欲しいです。

図で表すとこのような食事です。

地中海食ピラミッド

この表は、1993年にハーバード大学公衆衛生大学院と世界保健機関(WHO)が協力して作成した「地中海食ピラミッド」を、私がまねて作り直したものです。

三角形の下に位置する食品は量が多く、上に行くほど量が少ないことを意味しています。

そうして見ると、野菜や果物、パン(精製されていない)などが一番多く、肉よりも魚が多いことが分かります。肉も、赤身の肉(牛や豚)と鶏肉は分けられており、鶏肉は乳製品と同じ階層に入っています。

もともとの図は、ピラミッド一番下に、「身体的な活動」、「誰かと共に食事を楽しむ」が入っているはずなのですが、入らなかったので右にはみだしています。

栄養のことだけではなく、「運動」「共食」も大事だよ!と言っているあたりが密かに気に入っています。

きぶんやママ
きぶんやママ

次は、「地中海食」をとるとどんな良いことがあるのかを解説するよ!

地中海食にはこんな利点があった!

地中海食の利点

地中海食をよく食べる人々の地域は、世界でも有数の長寿地域と言われています。地中海食を食べる人が長寿なのは、そうでない人と比べて、以下のような利点があったためと報告されています。

【地中海食の利点】
●循環器疾患(おもに脳卒中と心筋梗塞)を防ぐ
●がんによる死亡が少なくなる
●糖尿病を予防する

不飽和脂肪酸を多く含むオリーブオイルや魚介類を多くとるので、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)値を下げ、動脈硬化や心筋梗塞のリスクが減少されたのだと推測されます。

また、野菜や果物に含まれる抗酸化物質が細胞の劣化を防いだことでしょう。

全粒穀物や豆類、野菜の食物繊維が腸内環境を整えることに役立ったり、血糖値の上昇を抑えたために、糖尿病の予防にも貢献しています。

これらの利点により、地中海食は科学的にも支持される健康的な食事法として評価されています。

日本で地中海食を実践するには?

日本で地中海食を実践するには?

ここまで見て、地中海食って昔の和食と似ているんじゃない?と思ったそこのあなたは素晴らしい目を持っています。

そう、私もそう思ったのです。つまり、昔の和食を実践すれば地中海食にとても似た食事になるのではないかと。

事実、日本も世界有数の長寿地域ということを忘れてなりません。特に、今高齢者となっている人たちの昔の和食が、とても地中海食と似ているのです。

地中海食がこんなにも注目されているのは研究が進んでいるからであり、和食も研究が進めば地中海食並みに健康的であることに誰もが気づいてくるでしょう。(昨今ようやく認知されるようになりました)

ちなみに、地中海食を日本バージョンにしようとすると、以下のように変えれば日本バージョンになります。

  • パンをご飯(精製度の低い玄米や分づき米にする)に
  • ワインを日本酒に(これは必要不可欠ではなく、食事と共に適量を味わうということが大事)
  • オリーブオイルを菜種油に

現代の日本人の食生活の問題点と改善点

地中海食と昔の和食は似ていると思ったのは事実ですが、今の日本人の食生活を見るとやはり異なる部分が見えてくるのも事実です。

今の日本人の食生活では、地中海食と比べると以下の点が問題点です。

  • ご飯(主食)が精製米(白いご飯)という家庭が多い
    玄米や分づき米にしたり、雑穀を入れたりしてみよう!
  • 魚離れが著しく、肉食家庭が多い
    魚を意識してとりいれよう
  • デザートを食事にしている人もいるほど、デザート量が多い
    デザートと食事の違いを理解しよう
  • 野菜・果物の摂取量が年々減っている
    →おやつを野菜・果物にするという選択もあり

デザートを食事にするとは一見考えられない発想でしたが、現在は朝食にプリンを食べたり、昼食時にドーナツ屋の前に長蛇の列ができていたり、カロリーはとれていても中身のない食事になっている人も多く見受けられます。

◆朝食にプリンってどうなの?と思ったらこのブログものぞいてみてください!

まとめ

地中海食は、健康食であるものの、案外昔の和食と重なるところがたくさんありました。

地中海食の特徴として、豊富な野菜や果物、魚介類をとり、赤身肉(牛や豚)やデザート、乳製品・卵は比較的少量である点があげられます。しかし、そのスタイルは日本の昔の和食とも似ています。

今の日本人の食生活は、昔と比べて変わってきてしまった点があり、その結果、地中海食とも似つかぬ食事になってきてしまいました。

昔の和食の良さを再認識し、今の食生活から少しずつ変える努力をすれば、地中海食の利点同様、さまざまな生活習慣病を予防できる食事になるでしょう。

食生活を見直し、今からでも簡単に変えられそうなことはないか再確認してみるきっかけになってくれれば幸いです。

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