ある乳業会社さんは、朝食にプリンをすすめています。皆さんはどう感じますか?
先日、私の好きなyoutuberさんが、朝ご飯にプリンとコーヒーを注文する様子をアップされていました。朝プリンは最近のブームなのでしょうか?
そもそも、なぜ朝ご飯にプリンなのか。乳業会社さんは、こうすすめています↓
乳業会社の言い分
「忙しい朝食にもおすすめ!朝プリ」
焼プリンは主に卵と乳からつくられています。
炭水化物だけでなく、たんぱく質もとれる焼プリンは、プリンの中でも栄養バランスが優れています。
忙しい朝に、何も食べずに家を出ることはありませんか?
普段の朝食にプラスはもちろん、手軽な朝食として、プリンを食べて元気に1日をスタートしましょう!
※主食・主菜・副菜を基本に、バランスよく食べることが望ましいです。
プリンは栄養も豊富なので、朝食にもおすすめですよ。おやつだけではないですよ。という方向に持っていきつつ、最後の米印で「主食・主菜・副菜を基本にバランスよく食べることが望ましい」と締めくくる。矛盾していないですか?
「プリンも栄養があるので、食事にプラスすれば食べやすく手軽に栄養がとれる」というイメージをつけたい。だからと言って、「毎日毎食プリンだけ」みたいな極端なことをされて、健康を害されると困るから、一応米印の文章を付け加えたという印象。
商品を売るための広告だから仕方ないのでしょうが、これを子どもが間に受けてしまったらどうなるかと心配になりました。(しかもスプーン持ってめちゃくちゃ喜んでいる子どもの絵だし)
食品会社が栄養素の話題を持ち出したら
私は皆さんに注意して欲しいことがあります。それは、食品会社の「これを食べると◯◯(栄養素名)がとれます!」の広告。今回のプリンで言うと、「プリンを食べるとタンパク質がとれる」という文言。
もちろん、嘘ではありません。確かにプリンにタンパク質は入っている。でも、米やパンにだって入っています。要はどのくらい入っていて、食べる人がどれくらい必要としているか、そこが問題なのですが。そんなのは一般の人には分かりません。
分からないから、不足していないのに「不足している」と思っている人がいるのも事実。そういう人達に、この広告は効果を発揮してしまうのです。
朝食は卵かけご飯と味噌汁でした。もしくは、ハムチーズパンとスープです。こんな朝食を食べてくる人は、プリンを足す必要はないでしょう。
残念ながら、栄養学は食品会社の広告として使われることが多いです。それだけ、消費者がプチ栄養学者のように、栄養素信者になってしまっているんだと思います。
根拠のない不足感から、食品会社の思惑通り商品を購入し、それが元で栄養をとりすぎている人が増えてきました。逆に健康を損ねています。「足るを知る」まさしくこの言葉が今必要です。
「栄養素」で食べ物を見ると、なんでも食事になってしまう恐怖
食品を「栄養素」で分解して考えると、お菓子も食事になり得てしまうんですよね。
というわけで、最近は食事にお菓子を食べる人が増えています。お菓子は用意する手間もないし、ある程度のカロリーが取れる。甘味や旨味、脂肪分が凝縮されていて食べやすく、飢餓を恐れる私たちの脳はこれを「最高にうまい!」と感じてしまいます。
朝食にパンとコーヒー食べ出したころから、お菓子食は始まっていた。御飯とみそ汁の時代から見たらパンもクラッカーもコーンフレークもみんなお菓子である。
人間は脳で食べている 伏木 亨著 ちくま新書 より引用
もはや、何がお菓子で何がちゃんとした食事なのか分からなくなる。これが現代の食事です。
ちゃんとした食事、すなわち今まで日本人が古来よりずっと食べてきた普通の食事、それを後世に伝えないといけないのです。朝ごはんを子どもが食べないからといって、お菓子を出し続けていれば、お子さんは「ちゃんとした食事」が分からない大人に成長してしまいます。
プリンはおやつとして美味しく食べて欲しい
というわけで、プリンはやはり食事として考えないで欲しいな思います。プリンはおやつに美味しく食べれば良いのではないでしょうか。