なぜ1日2食や1食にすると体調が良くなる?1日2食で内容も粗食だった江戸時代をヒントにした、私なりの考え方

江戸時代食事 食と健康

最近、プチ断食やファスティングといった言葉を聞きます。断食ほどではなくても、1日3食ではなく、2食や1食に控える方も多いようです。

そうした方々は、「控えたら体調が良くなった」と言う方が多くいます。なぜなのでしょうか?

そのヒントが、江戸時代以前の食事にあると私は考えています。当時の日本人は、1日2食が普通だったという事実を知ってからのことです。

しかも内容は粗食。毎日献立に悩むなんて、当時では考えられないことだったでしょう。

1日2食の内容はどんなものだったのか。なぜ現代では1日3食になったのか。そのあたりを調べつつ、なぜ2食や1食に控えると体調が良くなる人がいるのか考えてみました。

きぶんやママ
きぶんやママ

食事回数を減らしてみようかしらと思っている方へ、参考になると思います。

江戸時代以前は1日2食

まず、江戸時代以前は1日2食だったという話をしたいと思います。

詳しく言うと、江戸時代の中期以前までは1日2食が普通で、中期頃の元禄年間(1688〜1704)から1日3食にになっていったと言われています。

1日2食だった頃のお公家さんは、朝食をお昼くらいに、夕食は夕方4時頃食べていました

農民も、朝早く起きて一仕事終えてから朝食を食べ、仕事の合間に遅い昼食をとったそうです。

つまり、身分の差に関係なく、1日2食が普通でした。

なぜ2食だったかといえば、それで空腹が満たされていたからなのでしょうね。昔の人は、「そんな食べ方はカルシウムが足りない」とか、「朝ごはんを食べないと学力が低下する」なんてことを考えて食べていません。

体調が良いか、そうでないか、空腹か、そうでないか、体の声に反応しながら食べてきました

もしかして現代でも、子どもたちはそれがよく感じ取れるのかもしれないなぁと思ったりします。

なぜなら私の娘(6歳)は、朝食を食べた後(仕方がなく食べたといった感じ)10時ごろに決まって「お腹すいた」と言います。そして、昼食を食べた後(10時につまんだのであまり空腹じゃないのに食べる)15時か16時頃また「お腹すいた」と言います。

これってまさしく、江戸時代以前のパターンではないですか!?

同じように、私の父がお菓子箱からゴソゴソ美味しそうなものを取り出す時間も、午前中10〜11時と、15〜16時あたり。

中年層の私は、空腹だから食べるのではなく、「仕事の休憩時間だから」、もしくは「今までそうだったから」という体の声を無視した形で食べています

単に胃の内容物が2時間程度で消化されたから、10時頃と16時頃に空腹になっただけかもしれませんが、それにしても現代人の1日3食のタイミングは体の声を無視したタイミングとなっているのかもしれないと思わずにはいられません。

なぜ1日3食になったのか

しかし、そんな江戸時代の中頃(元禄年間)に、ついに1日3食の波が押し寄せました。一体元禄年間に何が起きたのか。

諸説あるようですが、そのうちの一因として「夜の時間が伸びた」ことがあげられます。

江戸時代中期以前は、人々は日が沈むと共に寝ていました。当時は電気がないので、夜の灯りは菜種油を燃やして灯りとしなければなりません。しかし、当時菜種油は高級品だったので気軽に買えませんでした。

早く寝ていたので、10時頃と16時頃に食べれば空腹を感じることもなく、床につけたのでしょう。

ところが、元禄年間の頃から菜種油の価格が下がり、それと同時に人々の夜時間はどんどん長くなっていきました。すると、1日2食ではお腹が空いてしまうので、段々と3食になっていったのです。

しかし現代は、当時よりもさらに夜時間が長くなっているのでしょうね。特に日本人は睡眠時間が他国の人と比べて短いそうです。それは、街が明るいせいだという指摘もあります。そうすると、1日3食でも足りず、夜食も含めて4食になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ちなみに、私は菜種油の灯りというのを博物館で体感したことがありますが、とても暗いです。

感覚としては、真っ暗な部屋にろうそくの灯りが1本灯った感じ。みんなでワイワイ飲み会が始まるような雰囲気にはなれません。それでも、あかりが全くなかった頃に比べれば、夜活動することが増えたのでしょうね。

電灯の発達が私達の食事回数を1日3食にした一因だっただなんて驚きです。

他の要因として、大火災後の家屋建築の為にたくさんの大工さんが必要となり、力仕事だった大工さんたちが2食では力が出ないので、3食になったという理由もあるようです。しかし、増えた1食は、外食が多かったようです。(お寿司屋さんや天ぷら、蕎麦屋など)

1日2食の食事内容

江戸時代中期まで1日2食だったとなると、日本人の長い歴史から見れば3食になったのはつい最近のことと言ってもおかしくないでしょう。すると、その間日本人はずっと栄養不足だったのでしょうか

それとも、2食で相当の栄養をとっていたのでしょうか。

当時の食事がどんなものだったか。それは、我が家の偏食息子の朝食のような内容でした。

ご飯
hsc偏食息子の朝ごはんの写真。

これを1日2回だけ。おかずは?と思われるかもしれませんが、魚などの主食は月に3回程度しか手に入りませんでした。豆腐料理はよく出ていたようですが、基本は「ご飯・味噌汁・漬物」。(写真には漬物の写真が載っていません。)

これでよく空腹じゃなかったなと驚かれる方もいるかもしれません。なぜ空腹にならないのか。それは、ご飯の量に秘密がありました。

江戸ガイドさんのHPによると、成人男性の場合、なんと1日に5合も消費していたとのことです。

我が家は四人家族ですが、1日3合もしくは4合で十分足りると思います。それが、当時は一人で1日5合だなんて驚きの数字です。

「糖質制限」だなんて言葉を江戸時代以前の人が知ったら、どうやって生きていけばいいんだ!と怒られてしまうでしょう。

江戸時代の食事まとめ

ここまで、江戸時代以前の食について知りました。少し整理すると、

=MEMO=
・江戸時代中期以前は1日2食だった
・内容は粗食だが、ご飯の量は成人男性で1日5合
・エネルギーのほとんどを炭水化物で補っていた
・江戸時代中期以降は夜時間が伸び、2食では不足して3食となった
・力を使う職業の人は2食では不足で3食となった

以上のことが分かりました。続いては、現代の食事、特に食事回数を減らすことについて考えましょう。

食事回数を減らすと、なぜ体調が良くなる人がいる?

現代、1日3食食べることをやめて、1日2食や1食にしている方々がいます。そうした方の中には、「体調が良くなった」「体重が減った」「胃腸が良くなった」などの声を多く耳にします。

なぜ体調が良くなるのでしょうか。まず、食事回数を減らすことについて、現代の栄養学に照らし合わせ、栄養士として考えた回答と、私なりの個人的な回答の2つを述べます。

1、現代の栄養学に基づいた栄養士としての回答

献立は、国が定めている各栄養素の基準値に合わせて作成します。1日3食食べる計算で作成しても、ある栄養素は基準値をどうしても満たせないということが良くあります。それでも、上下10%以内には収まるよう献立を立てなければなりません。

そのように考えると、食事だけで(サプリメントなどは考えないという意味で)各栄養素を1日2食か1食だけで不足しないように献立が作れるかと問われたら、まずそれは無理だと考えます。

普通に3食食べていても、カルシウムや鉄分、ビタミン類は不足しがちです。これを1食減らすとなると、余計にとることが難しいでしょう。

ここからは、やや現代の栄養学とは逸脱した話となり、私個人的な思いも含まれます。

2、個人的な回答

しかしそう考えると、なぜ食事回数を減らした方々が体調が良くなったりしているかの説明がつきません。私は、この部分で江戸時代以前の食事回数が少なかったことがヒントになっているように思うのです。

江戸時代中期から、3食になった理由に「夜時間が長くなった」ことと、「力仕事の人たちが増えた」ということがからんでいました。つまり、よりエネルギーが必要になったから3食になったということなのです。

しかし、現代は江戸時代に比べて交通手段が発達しており、あまり歩かなくても生活できてしまいます。また、テレワークなども増えました。それにより、今後は逆に、エネルギーが必要となくなってきているのかもしれないのです。

「粗食のススメ」本などでも著名な幕内秀夫さんは、自身のブログでこう記しています。

したがって正解は人それぞれだと思っています。「1食」や「2食」のほうが体調がいい人もいる時代になったということでしょう。

幕内秀夫の食生活日記ブログより

まさしくその通りだなぁと思います。

食事回数を減らして体調が良くなる方というのは、あまりエネルギーを必要としない生活様式だった、もしくは、栄養が過多傾向にあった方だと思うのです。

食事回数を減らすのが危険な人とは?

しかし、だからと言って、万人に対して食事回数を減らすことが良いとは言い切れないと思います。

もし、妊娠中の女性(以前も含む)や授乳中の女性、もしくはBMI(体格指数)がやせ傾向の方成長期にある子どもが食事回数を減らすことは、とても危険だと思います。

妊娠中や授乳中は、胎児または乳児の為に栄養がより必要となります。また、妊娠以前の女性も危険で、やせ体型の女性が妊娠すると、早産や流産になる確率が上がると言われています。

男性でも、やせ体型の方が食事回数を減らしている例をよく見かけます。男性は生理もなく、出産もないので、不調を感じずにいられるのですが、高齢になってからどんな影響が出てくるか分かりません。

成長期にある子どもは体を大きくしていく為にも、当然回数を減らすべきではありません。昨今では子どもの肥満や糖尿病も増えていますが、その場合はまず食事の内容を見直すのが先ですね。

今までの栄養学は、肥満を目の敵にしてきました。しかし、実は「やせ」も現代では多くなっており、問題視されています

最近の研究では、新型コロナに感染し、死亡してしまう率が「やせ」体型の方で一番多いという結果も出てきています。

詳しくはこちらに記載しました→「ちょっと肥満」の人達は新型コロナに強いことが判明!

きぶんやママ
きぶんやママ

現代人は、エネルギー節約の生活様式にシフトしていっているようですね。しかし、妊娠前・中・後の女性や子どもたち、「やせ」体型の全ての方々には食事回数を単に減らすだけでは危険なこともありますので、注意が必要です。

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