皆さんは「おにぎり」と「おむすび」どちらの言葉を使うだろうか。ちなみに私は「おにぎり」派である。
でも、日本昔話で登場する「おむすびころりん」は「おにぎりころりん」とは言わない。
「おむすび」といわれると温かみを感じて、田舎の風景とおじいちゃんがのどかに笹の葉にくるまったおむすびをほおばる様子が思い浮かぶ。多分おむすびころりんのお話が強烈に思い出されるのだろう。
しかも、「おにぎり」は転がらなさそうだが、「おむすび」はころころと転がりそうなイメージさえある。
実際のところ、どういう違いがあるのだろう。
広辞苑では違いなし
おにぎり【御握り】/にぎりめし。おむすび。
おむすび【御結び】/握飯(にぎりめし)のこと。
にぎりめし【握り飯】/握り固めた飯。むすび。おにぎり。
広辞苑より引用
なんだ、違いはないじゃないか!私が深く考えすぎだのか?でも、地域によってどちらの名前を使うかが分かれているようだ。
地域で差がある「おにぎり」と「おむすび」
通説では東日本では「おにぎり」、西日本では「おむすび」とされることが多い。しかし『近代文化研究叢書3 おにぎりに関する研究』(小田きく子著)の資料によれば、北海道、関東、四国では「おにぎり」「おむすび」が拮抗、近畿は「おにぎり」が優勢、中部と中国は「おむすび」が優勢で、九州・沖縄では「おむすび」は稀で「おにぎり(にぎりめし)」が大多数を占めるとされる。また、千葉県館山市では俵型を「おにぎり」、三角形を「おむすび」と呼び、形によって呼び名を区別している地域もあるそうだ。
一般社団法人おにぎり協会サイトより引用
おむすびが優勢な場所もあるんだなぁ。また、ローソンでは「おにぎり」と呼び、セブンイレブンでは「おむすび」と呼ぶなんて記事も見つけたが、これはどうだろうか?ぜひ皆さんコンビニに行ったら見てみてください。
おにぎりとおむすびを、形で言い分けているというのが、なんだか私としても納得なのだが、やはりおむすびは三角形としているのが、俵型の方が転がるのになぁと思ってしまう。
名前の由来は諸説あり
では、おにぎりとおむすびで名前に由来があるのか、そのあたりを調べてみた。
「むすぶ」とは心(魂)をそこに込めること(呪術的な意味合いがある)であり、心臓の形になっているという柳田國男の説(食物と心臓)もあるし、「おにぎり」は「鬼切り」の語呂合わせから魔除けの効果があるという説もある。
同支社大学HP 日本語日本文学科教授 吉海直人さんのコラムより引用
おむすびが心臓の形?そうかなぁ。おむすびころりんのおむすびが、心臓の形だったらそんなに転がるかしら。
おにぎりが「鬼切り」から来ていて、魔除けの効果があるなんて、生まれて初めて聞いた。鬼に差し出して「おにぎりあげるから、私は食べないでね」みたいな使い方で魔除けの効果を期待するならなんとなくわかるのだが。
一方、こちらは日本おりぎり協会の見解。
神の力を授かるために米を、山型(神の形)にかたどって食べたものが「おむすび」。「おにぎり」は「にぎりめし」の転じたものと言われています。つまり「おむすび」は三角形でないといけなくて、「おにぎり」はどんな形でも良いというの説が濃厚です。
日本おりぎり協会サイトより引用
なるほど、わかりやすいです。でもおむすびが山形!?山形だと転がるかしら?あくまでも私のおむすび基準は、「おむすびころりん」の想定。
おにぎりが「握り飯」から来ているというのは、とても府に落ちる見解。
まとめ
・おにぎり、おむすび、握り飯は、広辞苑では違いがないとしている。
・しかし地域によって「おにぎり」派「おむすび」派どちらが優勢かが分かれるよう。
・形で「おにぎり」と「おむすび」を使い分けているところもある。
・由来は諸説あるが、様々な由来から考えると、どうも「おむすび」は山形、「おにぎり」はどんな形でも当てはまる。
形や呼び方は家庭によって様々。そして、おむすびころりんの「おむすび」は、実はあまり転がらなかったのでは?というのは私の見解。