乳がんで抗がん剤治療が始まった母。1回目の感想と反省したこととは?

食と健康

胸のしこりが乳がんだと判明した母。ホルモン療法が効かないタイプだったようで、8回の抗がん剤治療が始まりました。

遠距離に住んでいる娘としては、なんとか力になりたい思いはあるものの、結局話を聞くことしかできない日々。せっかく栄養士なのに、母の食事のお世話すらできない…。

そこで、母から教えてもらった抗がん剤治療の実際を、言葉にしようと思いました。母がこのブログを見返すことで、今後の治療を進めていく上で大事な資料になり、次の抗がん剤治療の時に参考になるかもしれないという期待もあります。

ここで、この記事を読んでくださる方へお知らせです。抗がん剤治療は、人によって薬剤も副作用も全然違うので、必ず同じような副作用が出るとは限りません。あくまで、一つの例として受け取っていただければと思います。

辛かった時のことは、病状が落ち着いてくると忘れてしまうものです。今アウトプットしておこうと思います。

今の抗がん剤治療は「通院」できちゃう

母がまず驚いたのは、抗がん剤治療が通院できちゃうこと。がんの治療といえば、入院するイメージが強いですよね。2週間ずつ8回通って、抗がん剤を投与することになりました。

点滴のように投与するのですが、私の友人の看護師さんは、「抗がん剤の点滴はいつもよりもすごく緊張感ただようね」と教えてくれました。少しでも漏れたり、点滴を打つ人の手に抗がん剤が付いたりすると、すぐに処置をしなければならないほどの薬だそうです。

母は、「毒をもられている気分」と言っています。薬剤にもよりますが、母の抗がん剤は色が真っ赤だそうです。いかにも毒っぽく見えるんでしょうね。

抗がん剤1回目を打った後

打ち終わって帰宅した母は、私の妹が用意してくれたそうめんを美味しく食べたとのこと。美味しくて食べすぎて、気持ち悪くなったと言っていました。

なんとなくダルさがくるのが、翌日以降。そして、やはり気持ち悪い感じが続くそうです。私が「つわりみたい?」と聞くと、「あぁ!つわりみたいだね、確かに。」とのこと。

でも、吐くかというとそうでもなく。点滴の中に吐き気どめも入っており、薬でも吐き気どめを渡されるのだそう。昔の抗がん剤は、どんどん吐いてしまうので、通院では難しかったそうです。抗がん剤も進化しているのですね。

母が思った反省点①「食べればよかった」

抗がん剤投与後、3日間は特に吐き気もあり、食欲が落ちるのだそう。何も食べる気が起きず、3日間食べなかったところ、胃が痛くなってしまったというのです。

副作用もあるのかもしれませんが、空腹で胃が痛くなったかもしれないと振り返る母。食欲はなかったけれど、多分目の前に出されれば食べられたと思うとのこと。

ちなみに、抗がん剤治療中の食事を紹介した本は結構あります。しかし、最初にも言った通り、人によって全然症状が違っていて、食べられるものも本当に千差万別です。

本をあてにするというよりは、自分が食べられそうなものを少しずつチャレンジしてみるような気持ちの方が良いと思います。あまり「食べないといけない」と思うと、逆に苦痛になって良くないとも思います。

母の場合は、「次回は食べてみたい!」という意欲があるので、「レトルトおかゆ」「野菜ジュース」「豆腐」「卵スープ」なんかを試してみようと話し合いました。

母が思った反省点②「動けばよかった」

普通、人は風邪をひくと寝込みますよね。母も、寝れば寝るほど早く良くなるのでは?と思い、3日間寝ていました。というより、身体がダルすぎて、自然と横になってしまう状態だったそうです。

ところが、足のむくみが起こり、足が痛くなってきてしまいました。母はこれを、「動かなかったからだ」と結論。次回はもう少し起きていようと思うと言います。

これも、友人の看護師に聞いてみると、「辛いんだから寝ていて構わないよ、でも寝ながらでもできる足のむくみ取りの体操があるよ」とアドバイスをもらいました。

寝ながら足首をぐるぐる回す、足を上にあげて下ろす、寝る時に足を少し高くして寝るなど。マッサージも良いそうです。

これに対し、母は「それは自然にやっていたかも。ただ、寝る時に足を高くすると痛いんだよね」と言います。すでにある程度むくんでしまってからだと、痛みが出てしまうのですね。

ですから、母の場合は「むくみ防止で、ちょっと起きておく」ということと、病気前に習っていた「フレイル体操」をちょっとやってみるということになりました。

母が思った反省点③「頭痛薬を飲めなかった」

病院から、痛み止めをもらっていた母。しかし、薬の袋に「38.5度以上の熱が出た時に飲む」と書いてあったので、頭痛がひどかったけれど飲めなかったというのです。

痛みはあるけれど、熱はない。こんな時、飲んで良いのか分からなかったということでした。

よく生理痛でも痛み止めは出されます。痛み止めと解熱剤は同じだと思っていた私は、「飲んじゃったら良いんじゃない?」と勧めたのですが、結局飲めませんでした。

母が通っている病院は、何か疑問があって電話してもあまり相談にのってくれません。薬のことも聞けませんでした。なので、次回は近所の行きつけの薬局で良いので、薬剤師さんに飲んで良いか尋ねようと話しました。

分かって良かったこと「5日たつと気分スッキリ」

母が一つ分かって良かったこととして、「5日たつと、気分がスッキリする」ということをあげてくれました。

五日耐え忍ぶと、不思議と副作用がさっと消えた感覚があるとのこと。それからは、家事も食事もいつも通りだったそうです。そうして元気に1週間を過ごし、体力回復してから2回目の抗がん剤投与をする、というスケジュールなのですね。

症状が辛い時は、「これをあと7回もやるなんて耐えられない」とネガティブになったようですが、「5日耐えれば平気になる」ということが分かると、次も耐えられそうと思えるのだそう。

確かに、私もお産で陣痛が来た時に、看護師さんが「今すごく痛いね、でもあと1分で痛みがひくよ」と言われると頑張れました。そしてまた痛みがくる、、、痛みも波があるんですよね。でも、この痛みがずっとじゃないと分かるだけで、頑張れる気がするものです。

その他の症状

その他の症状として、母の場合は「におい過敏」がありました。母が特に辛かったのは、和室の畳のにおいと、父が使ったバラの香りのウエットシートのにおいだったそうです。

いつもは何でもないと感じるにおいなのに、なぜか吐き気を催すほどのにおいになったと言います。

そういえば私も妊婦だった頃、母が使うバラの香りの柔軟剤が異常に気持ち悪く感じたのを覚えています。そのせいで、いまだに柔軟剤の香りが嫌いになってしまい、洗濯時は柔軟剤を使うことに抵抗があります。

また、「うす味が美味しく感じる」という症状もありました。

私の妹の料理は、どちらかと言えば薄味で、これまで母には物足りなさがありました。しかし、抗がん剤治療をしてから母の味覚に変化があり、妹の作る薄味の料理がまるで高級料理店の味のように美味しいのだそうです。

抗がん剤治療中の食事本でも、よく「薄味に」とか、「出汁だけで煮る」とか対処法が書いてあります。人によっては塩味が苦味に感じたりもするので、できるだけ薄味が食べやすいのです。

たまに、あまり塩分控えると良くないようなことがネット上に書いてあったりもしますが、現代人は塩分過多の傾向で、最近の栄養学ではもっと塩分量を減らさねばという風潮です。あまり気にしなくて良いと私は思います。

まだ髪の毛が抜ける症状は出ていません。次回の2回目治療では、今回の治療で感じた母の反省点や対策法が活きると良いなと思います。

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