新型コロナで、テレワークが増えたり、不要不急の外出を避けたりで、どうしても増えるのが体重。
消費カロリーが減っているのに、食べている量がいつも通りなのだから、体重が増えるのは当然のことだ。
子ども達が夏休みに入り、私もすっかり家で過ごすことに慣れてしまい、体重が気になってきた。
しかし、増えてしまった体重を落とすのは、本当に容易じゃない。今日は、ふと大学で習った「人の体重の減りかた」について思い出したので、その話をしたい。
体重の減り方は一定ではない
皆さんはダイエットをしたことがあるだろうか?あるという方は、体重の減り方について思い起こしていただきたい。
食べる内容や量を減らした場合、最初は順調に体重が減っていったが、途中からまったく減らなくなったという経験をされたことはないだろうか。
これを折れ線グラフにすると、最初は右肩下がりなのだが、ある一定レベルになると、突然なだらかになったり、まったく平行線をたどったりする。
そう、体重の減りはいつも一定ではないのだ。
なだらか、もしくは平行線になるのはなぜ?
このなだらか、もしくは平行線状態は誰もが経験する、ダイエットに挫折するか、成功するかの境目だ。
この平行線状態は、一体なぜ出現するのか。それは、人間に備わった恒常性維持「ホメオスタシス」という機能が働くからだ。
ホメオスタシスとは、体の状態を一定に保とうとする機能のこと。
ちなみに大学の頃、先生がこの「ホメオスタシス」を授業中よく連発していたのだが、先生の「ホメオスタシス」の発音が普通じゃなく、変なところにアクセントがあり、いつも笑いをこらえるのに大変だった。
そのおかげで、「ホメオスタシス」は私の脳裏に深く刻まれ、こうしてふと思い出すに至った。先生のおかげです、ありがとう。
ホメオスタシスが働くと、体重はどうなる?
体重が減ることは、体にとっては危機的な状況と判断される。だから、摂取カロリーが減ると、体重が減少しないように自動的に「省エネモード」になり、基礎代謝を下げるのだ。
体重を落としたいと思っている本人の気持ちなど、くみ取ってくれない。
人類はずっと「飢餓」と戦ってきた
なぜこんな機能が備わったのかというと、人類の長い進化の歴史では、飢餓の期間がほとんどだった。
今のような飽食の時代など、100年にもならない。長い進化の過程で、生命を維持するために身につけてきた機能なのだ。
飢餓の時には大変役立ったこの機能だが、今のような飽食に対応する機能はまだまだ備わっていない。未来の人には、進化の過程でまた備わっていくのだろうか。
そういうわけで、表題のダイエットの難しさがわかっていただけただろうか。
ではダイエットはムダなの?
じゃあ、ダイエットしてもムダなのか?というと、そうではない。
この平行線状態も、必ず終わりはくる。体がこれ以上現体重を保てなくなると、(恒常性を維持できなくなると)また体重は減っていく。
ここまで我慢して続けていけるか、我慢比べというか、勝負の分かれ目となる。
適正体重でお願いします
ここまで、人の体重の減り方と、減らす行為の難しさについて述べてきた。
述べてきたところで、ふと不安になる。これを読んだ人が、必ずしも特定検診の腹囲が毎年ひっかかってしまうような方ばかりではないかもしれないからだ。
もしかしたら、適正体重よりだいぶ下なのに、さらなる体重減を願っている方かもしれない。
特に若い女性の中では、やせの問題が大きくなっている。やせが骨粗しょう症や貧血につながったり、将来不妊の原因にもなりかねない。くれぐれも適正体重内でお願いしたい。