息子は完璧主義な一面がある。自分が描く絵が本物と似ていないことが許せず、絵を描くことを拒否するようになってきた。
もちろん、幼稚園時代はたくさん描いていた。小学生になってから、自分の絵と他人の絵を見比べて、客観的に判断するようになったのだろう。成長の一過程だと思う。
必ずしも本物と似ている必要はなく、子どもらしさが感じられる絵で良いと思うのだが、息子にはどうしても受け入れがたいようだ。
そんな時、ふと図書館で目に止まった本がこれだった。
この絵本は、本当に小さな幼児でも絵が描けてしまう絵本。なぜなら、三角・丸・四角や点・ギザギザなど、基本的なパーツですべての絵が描けるようになっている。
図書館が新型コロナで閉館する前に借りることができていた。休校中、この本を開いてみた息子。
息子はこの本に載っている53の動物を楽しみながらすべて描き、最後には達成感でいっぱいになった。
「絵をかく喜びを知り、達成感を味わえば、さらにいろんな絵がかきたくなるはずです。そのためにも、まず、絵をかくことを楽しんでほしい。」
エンバリーおじさんの絵かきえほんより
まさしく、このような結果になったのだ。息子はもっと色々な絵をかきたくなった。エド・エンバリーさんありがとう!
それからも、たくさん絵をかく
息子は完璧主義なので、一覧になっているような挿絵をすべて描き終えてコンプリートしたい性格。だから、どんな絵でもいいわけじゃない。
例えば、スーパーマリオのゲームの攻略本に載っている、アイテム一覧や敵キャラ一覧、そういうものをすべて描き出すとか。
そういうこだわりがあるから、「描くものがない」と相談を受けると、こちらも大変なのだ。
ゲームを持っていないのに、そうした「一覧」が欲しいがために、ゲームの攻略本を買いに行くことがある。
最近では、マインクラフトというゲーム(プログラミング?)のキャラを熱心に描いている。こちらは、ネットでアイテムやキャラの一覧表が見られるので助かっている。
息子がはまることは、だいたい下の娘にも伝染するものだ。娘もあまり絵を描かない子だったのだが、二人で描くようになった。
新品同様だった色えんぴつが、今ではこんなに短くなった。うれしい限りである。
娘のケアも欠かせない
ところが二人で絵を描いていると、娘が「お兄ちゃんの方が上手」とへそを曲げることがある。
年長さんの娘、やはり男の子より女の子の方が精神面の発達が早いように思う。人から自分がどう見えるかが気になるお年頃なのだ。
そんな時はこう言う。「確かにお兄ちゃんの絵は本物と似ているね。でも◯◯ちゃんの絵はとってもかわいいね。お兄ちゃんの絵はかっこいいし、◯◯ちゃんの絵はすごくかわいい。どちらの絵も良いところがあって、ステキだとママは思うよ。」
すると、お兄ちゃんが「確かに◯◯ちゃんの絵はかわいいね」とナイスアプローチをしてくれた。
下の娘は、兄ほど完璧主義ではないので、これ描いてみる?と聞くと何でも描く!と言ってくれる。わざわざ一覧表は必要ない。かわいいモチーフならチャレンジしてくれる↓
大事なのは「よく見てかいたか」
二人には、大事なのは「よく見てかいたかどうか」ではないかなと伝える。もちろん、空想の絵もステキだが。
写真のように本物とそっくりな絵が描ける技術、それもすごいと思う。でも子どもの絵は、そこから本人らしさがにじみ出ていて、私はそれがたまらなく好きだ。
本物そっくりじゃなくてもいい、とにかく楽しんで描けたら良いね。