2月下旬。今年もすでに目がかゆく、鼻水もひどくて鼻に栓をしたいくらい。毎年薬が欠かせません。
しかしこのスギ花粉、いったいどこから飛んでくるのでしょう?
もちろんスギ林からですが、私が今吸っているこの花粉は、どのあたりから飛んでくるのかしら?と疑問に思ったことはありませんか?
調べてみると、関東から東海·北陸くらいまでのデータだけ見つかりました。今日はそのお話をしようと思います。
花粉症で悩む人に知っておいて欲しい話です。
スギ花粉を出すスギ林分布図
見つかったデータは、森林総合研究所が作成したものでした。
文部科学省のプロジェクト「スギ花粉症克服に向けた総合研究」(H9~H14年度)で作成された「スギ花粉飛散予報モデル」を改良したものです。
樹齢26年以上の花粉を飛散させるスギがどこにどれくらい分布しているかを現した図です。
東北や関西、四国、九州あたりが見つからなくて残念です、、、。
黄色や赤色で示された地域は特に多い地域。年度で変化するようですが、発生源がわかってちょっとスッキリしました。
無視できる発生源と、無視できない発生源
発生源がわかれば、対策ができます。例えば、花粉を出す26年以上の木を切って、若木を植えるなどの対策です。(ここでいう対策は、国の対策です)
※ちなみに、スギの木がすべて花粉を出すわけではありません。26年以上経つと出すようになります。
しかし、日本中の広大なスギ林すべてに対策をするなんて非現実的です。そして、その必要もないのです。
なぜなら、人の住んでいないところに大量の花粉が飛散しても、一向に構わないからです。そういう地域の発生源は、無視して良い場所。
人が多く住むところへの発生源が分かれば、対策のしようがあります。そういう考えで調査されたのが下の図。
首都圏に住む人が吸い込む花粉の発生源に絞った図です。
特に青い線で囲まれた地域の発生源に対策をすれば良いというわけですね。
このデータが気になる方は、下記のホームページで公開されているので見てみてください。
26年以上のスギが増えた理由
そもそもなぜこんなにスギが多く生えているかというと、戦後日本の家がたくさん破壊されて、今後家を建てるための木材が不足するかもしれないと考え、植林されたからです。
木が家の部材として使える大きさになるには、何十年とかかります。私達の先輩方が、後世の為にと植林してくれたプレゼントです。
しかし、国産の木ではなく、輸入された木で多くの人が家を建ててしまいました。それは、価格の安さも理由の一つ。
そのせいで、スギは切られることなく成長して、花粉を出す26年以上の木が増えていきました。
そして今、花粉症の方がどんどん増えているというわけです。
また、国産材の需要がなければ、林業にたずさわる人も職を失います。林業の方の数も減っていきました。
山が手入れされずに荒廃すれば川も、そして海にも影響が出ます。私達が美味しい魚を食べられるには、山が豊かでないといけないのです。
もっと日本の木を使おう
私は大学生の頃から、花粉症に悩まされました。また、栄養系の大学に行くくらいなので、食べることが大好きです。山の幸、海の幸が取れなくなるなんて一大事です。
だから、将来家を建てることがあれば、絶対に国産のスギやヒノキを使おうと心に決めていました。
高価な車庫や、ハイクラスなキッチン、そういうものにお金はかけず、壁で見えなくなるような下地や梁、柱、そこにお金をかけようと思ったのです。
幸い、山に親しんで過ごしてきた主人と価値観が合い、小さいながらもすべて国産のスギとヒノキで作った家を建てられました。
息子は、門構えが立派で格好の良いモダンハウスに憧れるようです。内装の壁がレンガや石だったりするような家だそうです。
我が家は見た目は貧相(?)かもしれないけれど、見えない部分にとてもお金がかかっているのだと説明します。何より、家に入った時に感じる木の香りがその証拠です。
そういう目に見えないところの良さをわかるには、もう少し歳を取らないとダメかもしれないですね。(息子は9歳)
最近では、国産の木材の需要が上がっているそうです。とても良い兆候だと思います。
家を建てるというのはお金のかかる話ですが、日本の割り箸を使うということも山に貢献することになります。密集しすぎた木を間引いた時に出る木材を間伐材と言いますが、それを捨てずに割り箸など小物を作って再利用されています。
その割り箸を購入すれば、林業へ貢献することにもなります。家具を買うときは間伐材を利用しているものを買うなど、貢献する工夫はたくさんあります。
私一人の心がけでは何もならないくらい大きな問題ですが、皆がもっと日本の木を使って、林業を盛り立ててくれたらなぁと心から願っています。
花粉のことから林業のことまで話が飛んでしまいました。
日本の林業が活性化しますように。
過去のブログで、日本の祝箸について書きました。よろしければ参考まで。