我が家の8歳長男は、野菜がとにかく苦手です。
食べられる野菜はごくわずか。
論文から見つけた対処法は効果があるのか、試してみました。
同じく偏食で悩むママさんたちの参考になればと思います。
論文から見つけた4つの対処法
この論文は、幼児を持つ母親へのアンケート調査による分析結果をもとにした論文でした。しかし、嫌いなものが多い子ども本人ではなく、その母親が小さかった頃を振り返ってもらって得た回答で成り立っていた論文でした。着眼点がおもしろいなぁ。
すると、「嫌いな食品でも食べる傾向にあるお母さん」には以下の4つの共通項が見えてきたという事です。
1、食事作りを手伝った
2、おかずは一人分ずつ盛り付けられていた
3、食事時間はテレビを消していた
4、子ども向けに味付けや切り方が工夫されていた
栄養士さんからすれば、(私も栄養士、、、)「まぁ習った通りよね」という感想だと思います。でもこれをいざ実践しようとすると、言うほど簡単じゃない。机上の理論ではなく、実際問題本当にできるのか、我が子で検証してみました。
その1 「食事作りを手伝う」
我が家には8歳と6歳の子どもがいます。二人とも2、3歳の頃には私が料理をしていると「やりたい!」と言って近づいてきたのを覚えています。子どもは、野菜を切ったり、調味料を計ったりが案外好きですよね。
手伝わせる事が難しいのは、子どもの「危なっかしさ」や「まどろこっしさ」。自分がやっちゃった方が早いと思ってしまったり、かえって散らかって私の仕事が増えるという事がよくあります。
だから、最初はちょっと野菜を洗わせる、魚を触らせる、手を添えて一緒に切ってみたり。そんな事から始めました。全部最初から最後までやらせようとすると、めちゃくちゃ大変です。もちろん毎日じゃないですよ。心の余裕のある時だけにしました(^^;)
その1の結果
3歳だった娘は、切ったニンジンを生のままかじった私を見て、「え!そのままでも食べられるんだ!」と思ったらしく、バリバリ食べるようになりました。でも、炒めたり茹でたりすると、6歳の今でも食べられません。ネギなど生野菜はわりと食べられるようになりました。
7歳だった長男は学校の宿題で、自分が育てたピーマンを料理して感想を書くという課題に挑戦した「ピーマンの塩炒め」を突然食べました。
自分で育てたピーマンを、自分で切ったし、好きな塩味で他の野菜が何も入っていなかったから食べられたよ。
しかし、私の作ったピーマンの塩炒めは食べてくれません。(- – #)おいしくないわけでは決してありませんが!「自分で」にこだわっています。
娘は生野菜が食べられるようになり、息子はピーマンだけ食べられるようになりました。
まぁ、将来自炊できるようにはなってほしいので、効果があったと言えるのかはあやしいですが、続けていきたいです。
ただ問題なのは、大きくなってくると段々手伝いをしなくなるということです。(男の子は特に!?人による!?)興味が出てきた小さいうちがチャンスかもしれません。
それから、手伝ったからすぐに食べられるようになるという即効性はもちろんありません。その積み重ねが、嫌いな物に対する恐怖心を軽減させる効果があるのだと思います。特に偏食の子は、新しい物に対する恐怖心が強い、慎重である傾向にあります。
親は栄養が足りていないんじゃないかと焦り、無理強いしてしまう事があります。調理に関しても、無理強いはしないようにしましょう。
我が子も気が乗らない時の方が多いです。
一緒に買い物に行くところからスタートでも良いのでは。
その2「おかずを一人分ずつわける」
料理に寄っては、大皿で盛り付けた方が見た目も美味しそうな場合もありますよね。だから、サラダや煮物などは大皿で出し、あとで一人ずつとりわけました。
その2の結果
何をどのくらい食べられたか、親も本人もわかるようになりました。毎回必ず野菜を選ばないといけなくなるので、野菜ゼロということがあまりなくなりました。息子は、これだけは食べないとという使命感がうまれたようです。
でも、毎回同じものしかとってくれません。これなら小指の爪くらいの大きさならかじってみようかなといってのせる事があります。とっても「まれ」ですが。
視覚優位の息子には、「食べるべき料理の見える化」にはなったよう。
自分が食べられた量がわかるのが利点。
その3「食事時間はテレビを消す」
これがなかなか難しい。食事を作っている時間、小さいお子さんは特に1人で遊んで待ってくれません。代わりに相手をしてくれる誰かもいません。だからテレビをつけてしまいます。
そうすると、食事だからと突然電源を切ることができなくなります。テレビだけでなく、パソコンやスマホ、タブレットなど、現代は子どもを誘惑するもので溢れています。
でもテレビが食事の邪魔をしているのも事実あるなと感じる事が多々ありました。例えば、、、
テレビを見ていると箸が止まってる
汁物やコップをよくこぼす
たまに舌やほっぺの裏側を噛んでしまう
家族の会話がない
何を食べたか意識がない、覚えていない
いつまで経っても食事が終わらない
そして何より、自分が何をどのくらい食べたかがわからなくなります。その結果、食事への興味がより薄くなるような気がします。難しいけど、テレビを消す事をトライしてみました。
その3の結果
まず、娘と息子に、テレビを見ながら食事をするとこんな困った事があると説明しました。
そして、番組の途中でブツっとテレビを切ると嫌だろうと思うので、番組が終わって次の番組に行く前に消してみました。次の番組を楽しみにしていたのに~!という事もあります。そういう時は、逆にどの番組の後ならいい?と聞きました。
その結果、なんとうまく消せたのです。そしてその後の食事のなんと楽しかった事!
まず会話が生まれました。学校の話、友達の話など。子ども達は、早く食べてテレビを見たいという気持ちもあり、夕飯はスムーズに終了しました。しかし、最近聞いていなかった「いただきます」「ごちそうさま」がちゃんと言えました。
食事の時間が、いつもより楽しくなりました。
偏食以前の話ですが、食事に集中することが大事なのかもしれません。
その4「子ども向けに味付けや切り方を工夫する」
6歳の娘は、わりと見た目で食べてしまうタイプです。しかし、8歳の息子は見た目なんかにだまされません。どんなに細かくみじん切りしたって、匂いで嗅ぎ分けます。ものすごく繊細なのです。
そんな息子も、好みの味付けと切り方は確かに存在しました。息子の好みは、、、
切り方・大根、ニンジンは千切り、ピーマンは角切り
調理法・野菜は生
これに沿うようにしてみました。
その4の結果
まず、醤油さしに醤油ではなく、めんつゆを入れてみました。そして、食卓に置いてみました。すると、息子はレタスにめんつゆをかけだしました!
一見変な組み合わせに思われるかもしれませんが、いわゆる和風ドレッシングの油とお酢を除いたものと考えれば、そんなに変なことではありません。むしろ、余計な油をとらなくてすみます。
また、大根やブロッコリースプラウトなどの千切りっぽい野菜は、しょうゆをかけて食べていました。
切り方で味がかわるんだよね!
なんという繊細さ!栄養士も下を巻くほどの、敏感な舌の持ち主。
まとめ
偏食を治すには?の論文にあった、「嫌いな野菜でも食べる傾向にある母親」たちの、子どものころの4つの共通点を我が家で実践してみました。
効果があったものもあり、いまいち感じられなかったものもありましたが、偏食という問題以前に食事時間が楽しくなりました。まとめてみると
食事のお手伝いをすると、野菜の匂いに慣れたりすることはあるよう。
おかずを一人ずつわけると、食べられた量を把握できて達成感にはつながる。
テレビを消すと、食事に集中できて食事時間が楽しくなる
子どもの好みの味付けをわかってあげると、子どもが安心して食べられる
食事時間をイライラせずに終えられるというのは、親もうれしいし、長期的に見れば食べることへの意欲につながるのではと思いました。
ただ、この4つの方法は、全部毎日やらなければならないことでもありません。ブログを書くから全部やってみましたが、毎日こんなことばかり考えていたら、「やるべきことばかり」で、楽しい食事なんて無理ですよね。
私は、自分が疲れた時に「手伝って~」とお願いします。毎日ではありません。普段は一人分ずつ盛り付けますが、週末など家族がそろっての食事の時は、大皿にして豪華なように見せます。テレビも、自分も見たいときは見てしまいますし、必ず子ども好みの味付けでというわけでもありません。
ちょっといい加減に取り組むくらいがちょうどよいです。栄養士さんはどうも、頑なな方が多いのです。(私も栄養士だけど、、、)特に大学出てすぐの方はそうなりがちです。大変なのは食事だけではないママさんたちなので、どうぞお手柔らかにお願いしたいと思います。
昔よりも、はるかに野菜の種類が多くなっています。
感覚過敏の子からしたら、こんなに多くの野菜すべてに慣れろというのは至難の業かもしれません。
野菜のにおいや歯ごたえが、どうしても嫌な野菜がたくさんあるの
慣れるのに時間がかかるから、種類をしぼってほしいな
また、ママがイライラした食卓は子どもにとっては辛いもの。
野菜嫌いも成長過程なのだと思って、まずは「ママが落ち着いて食べられる雰囲気」にする必要があるのかなと思います。