「子どもが偏食になったのは甘やかしたからだ」
まわりから言われた何気ない一言で落ち込んだことがありました。
同じように子どもの偏食で悩んでいる方の助けになればと思います。
一番伝えたいこと
まず一番皆さんに伝えたいのはこれです。
・栄養学で学ぶ偏食の対処法だけでは不十分
・子育て論と一緒にしない
ママだけの努力ではどうにもならない偏食もあるということです。一つずつ解説します。
目次
1、昔より食べ物の種類が増えている
よく子どもが食べられない野菜としてあがってくるピーマン。ピーマンは、昔日本人には馴染みのない野菜でした。戦時中、食べ物がなくなった時に、とても実の成りが良いということで育てられたのが始まりです。
昔は食べていなかったのに、今は食べられない子が「偏食」だなんて言われたりします。だいたいの野菜は、途中途中で日本に入ってきた新参者。
ほとんどの野菜が食べられる子ももちろんいるでしょう。でも、多くは食べらない野菜があることの方が多いのでは?
料理も増えました。毎日のようにご飯・味噌汁・魚を食べてきた日本人が、急にピザやパスタ、カレーに餃子など、洋風中華色々な国の料理を食べるようになりました。それが、明治時代、豊かさの象徴になり、日本人が馴染みやすい味に変化してきました。
しかし、私たちの遺伝子はそう簡単には変わりません。そういう料理を受け付けられなくても何の不思議でもないでしょう。しかし、何でも食べられる子が良しとされ、食べられないものがある子は「偏食」と言われます。
本当に何でも食べないといけないのでしょうか。いろんな国の料理を食べないといけない国は、日本くらいのものでしょう。
全てを食べられるのが良いということではない。
偏食の子が増えるのは当たり前で、必ずしも悪いことではない。
2、栄養学で学ぶ「偏食の対処法」だけでは不十分
マニュアルというのは、だいたいなんでも、対象者の平均をとって8割9割の人が当てはまるように作られているものです。
しかし、そこに当てはまらない2割1割の人がいることも忘れてはならないのです。HSCと呼ばれる、感覚が過敏な子や、多くの子が偏食と呼ばれる自閉症の子たちは、まさしくこの2割1割側なのです。
娘が産まれて、息子の食と娘の食について考えていた時、口内やにおいの過敏さの違いに気が付きました。息子は娘より、色々な面で過敏でした。偏食の一般的な対処法を試しても、娘には効いても息子には効かないということがありました。過敏な子の為の手立てが必要とされています。
さらに、専門家の方の偏食の考え方も問題だと思います。中には、「好き嫌い」「ムラ食い」「偏食」の違いを考えず、なんでも偏食で片づけている方もいます。栄養的に問題のある場合、そうでない場合も一緒にして考えてしまうのはおかしな話です。
対処しているママさんたちは、疲労していくばかり。食事を楽しむだなんて出来ない!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
感覚が過敏なゆえに食べられない子もいる。その手助けとなる対処法が必要。
3、子育て論と一緒にしない
我が家の場合、2歳を過ぎて高熱を出した日から、ご飯とみかんしか食べなくなりました。何何をどう工夫しても息子は頑として他の物を食べません。指導する立場だったのに息子が偏食に?と自分を責める毎日。だんだん毎日の三食が苦痛になりました。
そんな時、「子どもを甘やかしたからだ」と言われました。これは衝撃でした。
甘やかして、好きなものばかりあげたんだろうということでした。よく考えれば、嫌だ嫌だという息子がやせ細ってはと心配で、せめて食べてくれるご飯とみかんだけでもあげないとと与えていた自分。
もしかして、これが「甘やかし」だったの?でも私にはどうすることもできなかった、、、そう思うと涙が出そうな思いでした。
ママさんたちに、そして出来れば周りの方にも、偏食の問題を子育て論と一緒に考えないでほしいと言いたいです。これはとても大事なことです。
ママさんたちは、毎日悩みながらも、元気に育って欲しい一心で育児しています。しかも、育児だけでなく、仕事も家事も何でもして、自分のことはそっちのけで頑張っています。
そのママさんたちに、偏食の原因は育て方が原因だというのは、ママに烙印を押すようなもの。どうか、そういう考えはしないで欲しいです。
先も述べましたが、子どもによって過敏な子もいます。周りの何でも食べる子は、過敏ではないのです。子どもが一番困っています。でもその手助けはできるでしょう。私はその手助けを今も模索しながら、得た情報をブログにしています。
おまけ:最近の気づき「息子は偏食ではないのでは」
昔は、息子が感覚過敏ゆえ、極度の偏食で、普通の対処法では対処しきれない、困ったなという思いでした。
しかし、今「小児食生活アドバイザー」の資格取得の為に様々な文献から学ぶうち、実は息子は偏食ではないのではないかと思うようになりました。
なぜなら、息子はご飯、味噌汁、魚のような、ずっと日本人が食べてきた料理を好むからです。
食べられない料理は、パスタやピザ、しゅうまいやぎょうざ、マヨネーズやケチャップの料理など、それまで日本人に馴染みのなかった料理ばかり。
そういう新しい料理に、彼の感覚過敏が異をとなえ、食べさせないようにしているのではないでしょうか。
そうした料理はだいたい脂質が高く、そればかり好まれると逆に将来生活習慣病に悩まされるものばかり。
逆に食べないですむならば、その方が健康的なのでは。給食では食べられるものが少なくて困っていますが、彼の将来的には好ましい状態なのではと思いました。
野菜が食べられないのは将来困りますが、それこそ大人になるまでに少しずつで良いのではないでしょうか。むしろ、焦って油脂や糖質でごまかして野菜を無理に食べさせた方が、そういう味を好むようになって問題だと今では思います。
私は、息子のおかげで、こうしたことに気がつけました。今の欧米由来の栄養学に疑問を持つこともできました。
多分、息子が私の一生の宿題を持って、娘がそのヒントを持って生まれてきてくれたんだろうと思います。
まとめ
・昔より食べ物も料理も増えている。すべて食べられないといけないわけではない
・偏食は重症度も個人個人で違う。対処法も重症度別で必要
・偏食を子育て論で解決しない
偏食の子ども自身が一番困っています。
ママさんたちも懸命に頑張っています。
周りの正しい理解が必要です。