ホリエモンこと、堀江貴文さんの「時間革命」という本を読みました。限りある自分の時間は何よりも大事であること。それを、他人の為に使ってはならない。とことん自分の為に使う。「時は金なり」ではなく、「時は人生そのもの」という一文が心に刺さりました。
また、アルバイトや時間に縛りのあるサラリーマンの働き方は「時間を切り売りし、換金する行為」と否定的。
どれだけ努力しようが、どれだけパフォーマンスを上げようが、バイトで得られる報酬は、本人のキャパシティを超えることはない。「分の悪い取引」なのだ。
時間革命 堀江 貴文·著
私は二人の子を育てており、たまにアルバイトをしている主婦です。
育児をしている場合、自分のやりたいことを我慢してでも、自分の時間を子に費やすことも少なくありませんよね。
子へ時間を費やし、アルバイトで時間を切り売りしている状況。堀江さんからしたら、とんでもない状況かもしれません。そういうお母さんは多いでしょう。
では、この本はそんな主婦には無用のものだったのかといえば、そんなことはないと思うのです。堀江さんも、自分時間を増やす=子育て放棄をしろと言っているのではありません。
私は、子育てする主婦として、どう自分の時間を大切に使っていくかについて考える必要があるなと思いました。今日はそんな話をしようと思います。
私が出した結論
子育て、アルバイトも「自分の時間」に変換可能である
子育ては、自分の時間を我慢して子に費やすこと。アルバイトは、自分の時間を我慢してお金を稼ぐこと。その考えだと、子育てとアルバイトは永遠に「他人時間」を生きることになってしまいます。
しかし、考え方を変えれば、「子育て」だって「アルバイト」だって自分時間を生きることになる、そのことに気がつきました。
子育てをどう「自分時間」に変換していくか
子育てに関してはまだ10年しか経験していない私。子育ての大先輩である私の母に、子育ては他人時間を生きることになったのかどうか聞いてみました。
「子育ては確かに大変。奴隷のように感じたこともあった。でも、子どもがいたからこそ、いろんな経験ができて、楽しかった。」(母)
こう答えてくれました。その経験というのは、例えばどんなもの?と聞くと、
「例えば、子どもがいなければ、行けないような場所に行けたり。子どもを通じて、気の合う友達ができたり。」(母)
考えてみると、私も子どもが幼児の頃は、毎日公園に行くのが日課でした。そんなに外が好きでない私には苦痛でしたが、行ってみると季節を感じたり、一緒になってブランコに乗ったり。帰って来る頃には清々しさを感じました。
また、子どもが幼稚園の頃、何人かのママ友さんもできました。小学校がそれぞれ違って会う頻度は少なくなりましたが、今でも気さくに話せる大事なお友達です。子どもがいなければ知り合えなかったでしょう。
「本当は仕事も好きだったけど、「今」の我が子と遊べるのは「今」しかない、と思ったから仕事を辞めたよ。」(母)
例えば、3歳の娘のふわふわほっぺを触れるのは、今しかない。こんなに我が子と公園に行けるなんて、きっと今しかない。母は、常に「今」を大事にして生きているのだなと感服しました。
私も最近、10歳の息子が手をつないで歩いてくれるのは「今しかないんだなぁ」と思うと寂しくなりました。夜寝る前に絵本を読むのも、きっと「今」しかできないこと。
つまり私が言いたいのはこういうことです。
子育てには「大変さ」の側面と「貴重な経験」の側面とがある。「大変さ」だけ見ると「他人時間」を生きることになり、「貴重な経験」ととらえると「自分時間」を生きることになる。
つまり、子育ては「自分のため」でもあるということです。
私は、子どもを単純に育ててみたいと思いました。経験してみたかった。それで、子どもがいる生活を選びました。
もちろん、女性の幸せは様々なので、子どもがいない生活、結婚しない生活を選ぶこともあるでしょう。それは人それぞれで良いのです。
大事なことは、自分の人生を自分で決めること、大変な側面ばかり見ずに、そこから得られる自分へのギフトが存在することに気が付くこと。そうすると、子育てを「自分時間」と変換することができると思うのです。
アルバイトの仕事をどう「自分時間」に変換していくか
これは、定年後「シルバー人材」で働いている父から良いヒントをもらいました。
定年後、せっかくゆっくり生活できるのに、どうしてまた仕事をしているの?と父に聞くと、このような答えが。
「もう、お金の為じゃないね。社会とのつながりの為かな。」(父)
父は、お金の為ではなく「社会とのつながり」という目的のもとアルバイトをしていたのです。
また、昔から父は公務員の仕事に興味があるようでした。そして、現在勤務しているのは小学校の警備員。準公務員的なお仕事です。父は昔からやりたかったことを、アルバイトによってやることができ、そして「社会とのつながり」を感じながら満足した仕事をしています。
父は、時給以上の価値をその仕事に感じているに違いありません。この場合は、堀江さんの言う「時間の換金」作業にはあたらず、「アルバイト」であっても「自分時間」として使えているのではないかと思うのです。
私は現在、栄養系の大学で研究室の教授のお手伝いをしています。時給は決して高くなく、しかも交通費込という割のなさ。でも、しばらく栄養士業を離れていた私にとって、最新の栄養学の書物を見ることができる今の環境は時給以上のものを感じています。
お金のためだけではなく、自分を高めるプラスアルファを感じる「アルバイト」をすれば、「自分時間」に変換することができる。
まとめ
「子育て」も「アルバイト」も、そこに自分の価値を見出すことができれば「自分時間」として変換することができる。
堀江さんは、「逃げたくても逃げられない状況」を獄中で経験されました。初めて自分時間を「他人時間」として過ごした堀江さん。
ところが、そんな中でも本を1000冊読んだり、自分の思いを書いて外部の人にメルマガとして配信してもらったり、自分の時間を確保することを諦めませんでした。
私は、自分の父と母から、どう「子育て」「アルバイト」と向かい合うかを教わりました。
母は現在、孫(妹の子)のお世話をたまにしています。昨日電話した時は、孫のギャーギャー言う声と、ばあばの「お尻叩かないで!」の声しかせず、忙しそうだねと言って電話を切りました。
翌日、昨日は大変だったねと言ったら、「本当大変だった。でも、7歳の子の会話って面白い!自分も若返った気持ちがする。孫と遊べるなんて、孫が小さいうちの今しかないからね」と答えが返ってきました。どこまでも「今」を感じ、前向きな母に、またもや感服していました。