保健所で管理栄養士として勤務経験がある、きぶんやママです。
勤務していた頃、授乳や離乳に関する悩みをたくさん聞いてきました。その中の一つに、卒乳のやり方や時期について質問がありました。
保健所の栄養士は厚生労働省が出している「授乳・離乳の支援ガイド2019年改訂版」をもとにして、保護者の皆さんに寄り添い、指導をしています。
そのガイドが2019年に変わったので、昔言われていた授乳・離乳の常識が的外れになっていることがあります。(実はそのガイドには「卒乳」という言葉は出てきません)
そこで、今回は最新の(2025年3月現在で最新)ガイドに沿って、卒乳のやり方や時期について解説したいと思います。※2025年3月21日更新
卒乳の時期というのは明確に決まっていない

まず、卒乳の時期ですが、「だいたいここまでに卒乳をしましょう」という時期は決めていません。
一つ前の授乳・離乳の支援ガイドには、「1歳半を目安に」と記されていましたが、最新のガイドには掲載されませんでした。
なぜかというと、赤ちゃんによって卒乳の時期がバラバラだからです。時期がバラバラになる理由をあげてみました。
- 離乳食の進み具合に個人差がある
- 母親の仕事復帰の関係で早くやめざるを得ない時もある
- 母乳が出なくなる時期に個人差がある
- 早々にミルクを欲しがらなくなる子、逆にやめられない子等、こどもによって様々
母と子それぞれの理由から、卒乳の時期は様々あって良いのです。授乳・離乳の支援ガイドにもこうあります。
・いつまで乳汁を継続することが適切かに関しては、母親等の考えを尊重して支援を進める。
厚生労働省:授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)より引用
・母親等が子どもの状態や自らの状態から、授乳を継続するのか、終了するのかを判断できる
ように情報提供を心がける。
世界保健機構(WHO)では2歳かそれ以上がスタンダード

ちなみに、世界保健機構(WHO)では2歳またはそれ以上まで授乳を続けて良いとされています。
授乳は栄養の補給と言う側面だけでなく、こどもの精神的な安定やスキンシップの機会ととらえられているからです。
母乳は自然とこどもが飲まなくなるまで続けて良いとされています。
確かに、自分の娘のことを考えても、2歳代になってくると母乳を栄養補給に飲むというよりは、安心感を得るために欲しているだけだったかなと思います。
私自身の例
私自身は、一つ前の授乳・離乳の支援ガイドの時に長男が産まれました。なので、1歳半が卒乳の目安だと思って、1歳半ピッタリに卒乳をしました。
もちろんそれが「目安」ということは知っていましたが、どうしても「目安」を提示されてしまうとそれ通りにしないといけないと思ってしまいますね。
保健所では目安だから無理はしなくて良いと指導していたはずですが…今回の2019年改訂版ガイドは「1歳半」の文字が消えて本当に良かったと思います。私のようにきっちりと守ってしまったり、やむを得ず早くやめる人が不安にならずにすみます。
出産2人目の時は、「目安なんだから」「世界のスタンダードは2歳だ」と思って、3歳直前まであげていました。
卒乳って具体的にどうやるの?

自然に飲まなくなるまで待つだけだと、永遠に授乳が続きそうな気がします
2歳近くなってくると、母乳がないと赤ちゃんが寝付かなかったり、不安な時に母乳をねだられたり、一体この子は本当に卒乳なんて日がくるのかしら?そう思っているママも多いようです。
大きくなってくると、食事から必要なエネルギーをしっかりとれるようになってきます。
それでも授乳をせがまれる場合は、空腹だからではなく、安心感を得るためであることがほとんどだと思われます。
ですから、おっぱいではない別の方法で安心できるようになってくると、「おっぱいは終わりだね」と納得の上でこどもが卒業してくれます。

まれに小学校でも続いているという人がいますが、人は必ず卒乳します。
卒乳の「手助け」はできる!

親は「待つ」だけで、何もしてあげられないんですか?
一般的にはこう言われています
- 体を使った遊びをたくさんすると、ご飯を食べるようになる
- 夜寝るときは、本を読んだり、手を握ったり、歌を歌うなど、おっぱいに代わる安心感を作る
- おもちゃで一緒に遊んだりして、心の栄養(甘え)をおっぱい以外のもので満たす
おっぱいに代わるもの「体遊び」「歌」「ふれあい」「一緒に遊ぶ」そういうことを増やそうという考え方ですね。おっぱいの他にも心が安定できる術があると学べるように手助けできます。
我が家の具体例
参考までに、私の第2子の卒乳の様子を解説します。卒乳時期は娘が2歳10か月の頃。

乳首をかまれて血が出てしまい、あまりの痛みに「うっ、、、」となっていた時。「ママ、ごめんね、あっぱ終わりね?」と言ってくれたのです。そして3歳の誕生日の数日前。

「ママの手助け欄」に書いた通り、本を読んで歌を歌い、ほっぺをひっつけながらの寝かしつけを行ったのです。この日を境に、おっぱいがなくても寝られるようになり、本人も自信がついたのか、「卒乳」となりました。(10時まで頑張ったらしい私)

私も乳首をかまれたりして、痛いんですよね。我慢しないで、こどもに伝えるようにしてみます。

6歳の娘はいまだに、「ママのおっぱいは甘くておいしかったなぁ」と幸せそうに振り返ります。断乳でなく、卒乳にして良かったです。第1子もそうしてあげたかったなぁと思います。
これは「断乳」?

たまに栄養士さんでも、卒乳の方法として「おっぱいに辛子を塗った」とか、「おっぱいにビックリすような絵を書いた」という例をあげる方がいます。
しかしそれは「卒乳」ではなく「断乳」の方法に近いように思います。
昔は10か月で断乳する時代もありました。その時にママだった指導者は、ご自分の経験からそうしたことを思い出して指導されるのだと思います。
しかし、心の安心を求めておっぱいにすがってきた赤ちゃんが、信頼しているママからそんなことをされたら赤ちゃんはどう思うかな…と考えると、私はそういう方法はおすすめしていません。
本人が納得してやめないと、卒乳した後もねだられたり、てこでも夜寝なくて、毎晩散歩をしているという話も聞きます。ママが大変になるだけではないかと心配になります。
まとめ
授乳・離乳の支援ガイド2019年改訂版では、卒乳の時期はふれられていません。なぜなら、こどもの成長具合に個人差がありますし、母親の状況や考え方によってお様々だからです。
世界のスタンダードは2歳かそれ以上ということも分かりました。
ただ、2歳近くなってくると、栄養補給のための授乳というよりは、こどもが安心感を得るための意味合いが強くなります。
そこで、卒乳の手助けとして、おっぱい以外の安心感を得られる方法を試してみることはおすすめです。
我が家の卒乳の様子も含めて解説しました。そろそろ卒乳を考えている人の参考になれば幸いです。