前回までのブログで、玄米ご飯としらす、のりを食べるとどんな栄養がとれるか計算しました。どうしても不足するカルシウム、鉄分、ビタミンB2、Cが課題です。
すると、息子からこんな質問が。「バナナやみかんなどの果物を食べればビタミン足りる?」HSC(感覚過敏)で、口内の感覚が過敏で食べられるものが少ない偏食息子ですが、バナナやみかんは食べられます。
予想ではビタミンCが期待できそうです。そこで、今回はバナナやみかん(息子が食べられる果物)の栄養計算をしてみようと思います。
おかずを食べずにご飯ばかり食べる偏食さんへ、野菜は無理でも、果物なら食べられるという方に参考になると思います。
不足しがちな栄養素のみ計算
我が家にあった、ちょっと黒くなりかけのバナナ。1本167gでした。そして皮が52g。食べられる所は115g。これで計算します。
みかんはもう季節ではなかったので、清見オレンジで計算します。1個203gで、皮は81g。122gで計算します。
エネルギーやタンパク質はしらすのりご飯で十分とれたので、今回はしらすのりご飯ではとれなかったビタミンや無機質を計算しました。まずは無機質。
果物の無機質
カルシウム | 鉄分 | カリウム | |
バナナ1本 | 7mg | 0.3mg | 414mg |
清見オレンジ1個 | 13mg | 0.1mg | 207mg |
1食の理想量 | 217mg | 2.7mg | 533mg |
表が途中で切れていることがあります。横スクロールしてみてください。
果物によっても、期待できる栄養素は違います。しかし、どちらにも多いのがカリウムです。カリウムは余分にとった塩分を外に排出する働きがあります。果物や野菜に多いと言われています。塩分が気になる方にはとって欲しい栄養素の一つ。
カルシウムや鉄分は、予想通り果物からはあまりとれません。やはり、この2つはタンパク質をとらないと不足します。(息子の場合はご飯、しらすで理想量の半分はとれた)
果物のビタミン
続いてビタミンを見てみましょう。
ビタミンA | ビタミンB2 | ビタミンC | |
バナナ1本 | 6μg | 0.05mg | 18mg |
清見オレンジ1個 | 55μg | 0.02mg | 51mg |
1食の理想量 | 167μg | 0.34mg | 20mg |
表が途中で切れていることがあります。横スクロールしてみてください。
ビタミンはもっともっとたくさん種類があります。しかし、玄米しらすのりご飯でとれなかったビタミンに絞って掲載しています。
ビタミンAとビタミンCは、ご飯だけでは全くとれなかった栄養素なので、果物を食べることでこれだけ補えるのは朗報です。特に、野菜がほぼ食べられない我が家の偏食君には大事な栄養源と言えます。
特に、ビタミンCはどちらの果物でも1食分の理想量を超えてしまうほどとることができます。仮に昼や夜にあまりビタミンCをとれなかったとしても、オレンジを食べていれば安心です。
ちなみに、糖質は上がってしまいますが、オレンジの100%ジュースやみかんの缶詰でもビタミンCがとれます。
バナナも素晴らしい栄養がとれますが、清見オレンジのビタミンAやCの多さにはありがたささえ感じてしまうほど。息子がみかん大好きっ子で良かったと、心から思います。
ビタミンB2は、予想通り果物からはあまりとれません。魚介類、肉類、藻類、豆類、乳類、卵類、野菜類、種実類に多いと言われています。おかずがいらない、ご飯大好き息子には、とることが難しいビタミンの一つ。我が家では一番難しさを感じるのがこの「ビタミンB2」です。
ご飯+しらす+のり+果物で不足栄養は補えるか?
果物の(バナナとオレンジだけですが)栄養は大体分かりました。ここで、偏食息子が気になっている、「ご飯+しらす+のり」に果物を食べると、不足していた栄養は補えるか計算してみようと思います。
「ご飯+しらす+のり」だけの栄養計算はこちらをどうぞ→【偏食】HSC偏食息子の食事。しらすご飯にのりをプラスしたら栄養はどう変わる?
まずは無機質で特に不足していた「カルシウム」と「鉄分」に注目します。
カルシウム | 鉄分 | |
ご飯+しらす+のり | 124mg | 1.6g |
ご飯+しらす+のり+バナナ | 131mg | 1.9g |
ご飯+しらす+のり+オレンジ | 137mg | 1.7g |
1食理想量 | 217mg | 2.7g |
予想通り、果物からはカルシウムと鉄分をあまり補えず、理想量に届きません。しらすをたっぷり食べてカルシウムと鉄分を増やせましたが、まだ十分とは言えません。
続いて、ビタミンで特に不足していた「ビタミンA」「ビタミンC」「ビタミンB2」と見てみます。
ビタミンA | ビタミンC | ビタミンB2 | |
ご飯+しらす+のり | 131μg | 9mg | 0.16mg |
ご飯+しらす+のり+バナナ | 137μg | 27mg | 0.21mg |
ご飯+しらす+のり+オレンジ | 186μg | 60mg | 0.18mg |
1食推奨量 | 167μg | 20mg | 0.34mg |
オレンジをプラスすると、ビタミンCは1食分ではなくて1日分補えることが分かりました。ビタミンAもオレンジの場合、推奨量を超えるほどとれました。
ビタミンB2はやはり不足気味です。
まとめ
玄米しらすご飯に果物(オレンジ、バナナ)をプラスすると、ビタミンAとビタミンCがとれる
一方で、解決できなかった栄養素は以下の通りでした。
果物をプラスしても、カルシウムと鉄分、ビタミンB2 は不足気味。
ご飯ばかり食べておかずをほぼ食べない偏食さんには、どうしても不足してしまう栄養素があります。だから、赤(タンパク質)黄(主食)緑(野菜や果物)の食べ物を1食の食事に揃えて食べようという話は間違いではありません。
しかし、偏食のある子にはとても大変なことです。
自分の食事なら気をつけることもできます。でも、子どもの食べたくないと言う意思は強固で、親がいくら頑張ってもダメなこともたくさんあります。
それによって、朝ご飯何を出せば良いのか分からないという方が多くいらっしゃいます。食欲がないという子もたくさんいるでしょう。
そんな時、「とにかくご飯」「おにぎり」という選択はありだと思います。過去の記事で、玄米ご飯だけでもかなりの栄養がとれることをお伝えしました。そこに、のりやしらすを加えればさらによくなり、今回は果物も添えることで、より良くなったという話をしました。
それでも不十分な栄養素が確かにありました。でも、栄養素というのは現在100種類以上も成分表に載っており、毎日それら全ての推奨量をまかなうなんて現実的ではありません。
偏食のある方は、食べられるようになった食材を少しずつプラスして、理想量に近づければ良いと思うのです。
闇雲にサプリメントを与える方も多くいらっしゃいます。足りていないんじゃないかという不安の元そうされていると思うので、分からなくもありません。でも、本当にそれが不足しているか分からずにあげることは、危険な行為でもあります。
子どもに足りていない栄養素は何かを知り、その栄養を多く含む食材から食べられそうなものを見つける方が、偏食の多い子には有効な食育ではないでしょうか。
私は今後、偏食息子が不足していると思われる、カルシウム、鉄分、ビタミンB2がとれるような食事を、息子と一緒に考えていきたいと思います。
同じようにご飯ばかり食べる偏食の人達の参考になるよう、探っていきたいと思います。