先日胃カメラを受けた管理栄養士のきぶんやママです。内視鏡検査を受けようとすると、「検査前日の食事は消化に良い食事にしてくださいね」と言われます。
しかし、消化に良い食事とはどんな食事なんだろう?という声もよく聞きます。よく分からないからと、検査前食事キットを購入される人もいます。
もちろんそれでも良いのですが、いつもの食事で済ませたいという人のために、管理栄養士の視点から、内視鏡検査前におすすめの「消化に良い食事」について解説します。
また、私や主人の内視鏡検査前の食事も公開します。
そろそろ胃や大腸の内視鏡検査を控えている人、風邪などで消化に良い食事にしたい人などにもおすすめの記事です。
消化に良い食材・悪い食材はこれ!

消化に良い食事とは、胃腸への負担が少なく、速やかに消化・吸収される食事を言います。具体的には油脂・食物繊維の少ない食事です。

食物繊維はいつもだったら積極的にとって欲しいけれど、検査前は検査に影響するのであまりとらない方が良いのです。
どんな食事が消化に良い(✅)・悪い(❌)のか、主食・主菜・副菜別に見ていきましょう!
消化に良い主食(ご飯・パン・麺)
- お粥: ✅お粥が苦手だという人は、雑炊でも良いですよ!
❌雑穀米や玄米(食物繊維が豊富なため消化に悪い) - うどん:✅うどんの具も下で説明するものを使うように
❌そばは消化に悪い・パスタやラーメン(油脂が多いので消化に悪い) - パン: ✅油の少ないパン(食パンやロールパン)はOK。
❌クロワッサンや菓子パン(油脂が多い)
消化に良い主菜(たんぱく質)
- 白身魚:✅タラやカレイなどの白身魚(茹でるか蒸すとgood!)
調理が面倒であれば、はんぺんやちくわが簡単に食べられる
❌揚げた魚(油脂が多いので消化に悪い) - 豆腐: ✅そのまま冷ややっこや温やっこ、卵豆腐もOK!
- 卵 : ✅ゆで卵、卵スープ
消化に良い副菜(野菜、くだもの)
- 野菜: ✅食物繊維の少ない野菜(きゅうり、皮をむいたなす、ゆで野菜)
野菜ジュースは食物繊維があまり入っていないのでOK
❌繊維質の野菜、海藻、キノコ類(さつまいもやわかめ、えのき、しいたけ等) - スープ:✅味噌汁、すまし汁、コンソメスープ(具材なし、もしくは少しの玉ねぎ人参などのゆで野菜)
- くだもの:✅くだものの缶詰、バナナ、くだもののジュース

私の母はトマトの皮がいつまでも出てこなくて困った経験がありました。野菜の皮は要注意です!
我が家の内視鏡検査前日の献立

上記のことをふまえて、我が家の内視鏡検査前日の食事を紹介します。
朝食
- ねこまんま(味噌汁にご飯を入れて柔らかくする)
- ゆで卵
- ねぎと豆腐の味噌汁(わかめは抜いた)
- バナナ
お粥じゃないの?とつっこまれそうですね。私は、汁にご飯を入れて柔らかくするというのをよくやります。市販の卵スープにご飯を入れるのもおいしいです。お粥が面倒な人にはおすすめです。
主人は2年に1度、持病で内視鏡検査をするため、消化に良い食事をとることが多いのですが、どうしてもお粥が好きではありません。
そこで、主人の場合は消化を促進してくれるとろろを投入し、とろろご飯にしています。
これまで15回程度内視鏡検査を受けている主人ですが、いまだに医師から苦情を言われたことはありません。下剤後もすんなり検査体制を整えることができているようです。

味噌汁は家族の分と一緒に作るので、私のものだけわかめを抜きました。
昼食
- うどん(ゆでたほうれん草、ちくわ、ねぎ少量)
主人は埼玉県出身なのですが、埼玉県は意外とうどん県なのだそう。(主人談)確かに昔から小麦の生産が盛んだったようですね。
「山田うどん」というと、埼玉県民で知らない人はいないのだとか。
ということで、我が家の内視鏡前昼食はうどんが定番です。消化にも良いです!

主人はうどんに大量の唐辛子をかけるのですが、検査前は控えてもらいました。
夕食
- お粥もしくはとろろご飯
- 煮魚
- 豆腐
- すまし汁
明日は胃カメラか…と思うと、気持ちが暗くなり自然と食欲が減退しました(笑)この日はどうしてもお粥を作る気力がなく、消化を助けてくれるとろろを投入。主人の検査食定番のとろろご飯です。
すまし汁の具はお麩を使うと楽ですよ。もちろん豆腐もいいですね。
あとは、21時までにご飯をすませましょう、21時以降は何も食べないでくださいと毎回言われます。食べるのが大好きな私は、「翌日の朝も食べられないんだ…」と思うと、これだけでかなり精神的に参っちゃいます。「終わったら何食べようかな」と前向きに行きましょう!

アルコールは検査前日は避けてくださいね!(私も好きですが)
よく聞かれる質問「刺身は消化に良い?」

「良い!」と言う人と「悪い!」という人がいます。なぜそうなるかと言うと、魚の種類によって異なるからではないかと思います。
刺身の種類で消化が違う
✅ 白身魚(タイ、ヒラメなど)は比較的消化が良い
→ 低脂肪でタンパク質が豊富なため、胃腸への負担が少ない。
❌ 赤身魚・青魚(マグロ、カツオ、サバなど)は消化に時間がかかる
→ 筋肉繊維が多く、脂質を多く含む部位もあるため、消化に時間がかかることがある。
❌ イカやタコ、貝類は避けるべき
→ コリコリした食感のものは消化が悪く、腸に残りやすい。
内視鏡検査前に刺身を避けるべき他の理由
刺身の白身魚だったら消化が良いからいいよね?と言われそうですが、他にも大事な理由があります。それは、食中毒のリスクです。
万が一、生魚による食中毒(腸炎ビブリオ菌など)が起こると、検査どころではなくなってしまいます。
まとめ
内視鏡検査前の食事は、消化に良い食材・調理法を選ぶ必要があります。
消化に良い食材は低脂肪・食物繊維の少ないものを選ぶこと、調理法としてはゆでる・煮る・蒸すが消化に良い調理法です。
はんぺんやちくわ、卵豆腐など、上手に加工品も利用して検査食を選ぶと良いですね。
このブログが皆さまの検査前日食の参考になれば幸いです。検査後の食事を楽しみに、検査を乗り切りましょう!
◆病院で提供されている消化に良い食事(低残渣食と言います)も参考になりますよ↓
- 慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト:炎症性腸疾患の食事として低残渣食(ていざんさしょく)の献立例が写真付きで紹介されています。