【伝統食】献立つくりに悩むようになったのは、昭和30年代から。それまでの迷いようのない食事とは?先人に学ぶ

悩む
ママさん
ママさん

最近、献立が思いつかなくて。

毎日何を作ったら良いかわからないんです。

きぶんやママ
きぶんやママ

そう言う方は多いですよね。

しかし、一昔前は、子どもの食事作りや毎日の献立で悩む母はいなかったのです。なぜ増えてしまったのか。悩まなくてすむ方法もご紹介します。

目次

  1. 食事作りに悩む母が増えたのは昭和30年代ころから
  2. 昭和30年以前の母たちは、どんな食事を作っていた?
  3. 食事を難しくしたのは「バランスのとれた食生活」を意識したせい
  4. まとめ

食事作りに悩む母が増えたのは昭和30年代ころから

=MEMO=
食事作りに悩む母が増えた時期は、昭和30年代から

昭和30年代から増えたのです。それより以前の日本では、献立に悩むなんてことがありませんでした。

昭和30年代というと、ちょうどテレビや洗濯機、冷蔵庫や電気炊飯器が発売され、一般家庭にも広く普及しだした頃。一ヶ所ですべての食材が手に入る便利なスーパーも、昭和30年代に始まり、全国へ広まっていきました。

それ以前は、ご飯を炊くのも一苦労でした。火を起こすところからご飯作りが始まるのです。また、スーパーもなかったので、魚は魚屋に、野菜は八百屋に、豆腐は豆腐屋にと、買い物も大変でした。

普通に考えれば、昭和30年以前の主婦の方が、買い物も食事作りも一苦労だったに違いありません。なのに、食事作りに悩む母が増えたのは、一体なぜなのでしょう?

昭和30年以前の母たちは、どんな食事を作っていた?

昭和30年以前は、地元でとれたものをそこに住む人々が食べてきました。献立は、ご飯に味噌汁、漬物を中心として、季節の野菜や芋類、豆類、魚介類など、手に入ったものを少し足すというスタイルです。

米がとれない地方では、小麦粉で作ったほうとうやうどん、おやきなどを食べます。そばや芋が中心となった地域もあります。

つまり、「とれたもの」を食べる、調理法は昔から行われてきた調理法で食べる、すごくシンプル。だから、献立で悩む事なんてまったくありません。迷いようがない。

野菜や魚は、季節によってとれるものととれないものがハッキリしているので、春はたけのこばっかり、夏はきゅうりトマトばっかり、秋は何日もサンマが続いたり、いわゆる大人も「ばっかり食べ」でした。

さらに、子ども用の食事なんて当然作っていません

では、昔の子どもは、好き嫌いせず何でも食べたんだなぁなんて思ったら、とんでもない。今と変わらず、苦手な野菜はたくさんありました。

でも母親たちは、それを特に意識することがありませんでした。ご飯で空腹を満たせれば、何を残そうが気にしない家庭の食事はいたって簡単だったのです。

【30年代以前の食事】
手に入る食材に限りがあった。
調理法も代々受け継がれたものだけ。
子ども用の食事は作らない。
子どもがご飯さえ食べていれば、何を残しても気にしない。
ご飯・味噌汁・漬物に、手に入った物を足すだけ。決まった型がある
家庭の食事はシンプルで簡単。迷いようがない。

食事を難しくしたのは「バランスのとれた食生活」を意識したせい

では、なぜ簡単だった家庭の食事が、昭和30年代を境に難しくなってしまったのか。

それは、皆が突然「バランスのとれた食生活」を意識しだしたからです。

昭和30年代、国をあげて、「栄養改善普及運動」が始まりました。戦後、日本が負けたのは体格が小さかったからだと、海外の栄養学を真似て、一般の人に栄養教育を押し進めたのです。

「ごはんよりもおかずを食べなさい」「たんぱく質が足りない」「カルシウムが足りない」そういうことを突然言われる。

今まで、食生活は「何がとれるか」によるものでした。しかし「栄養改善普及運動」が始まって以来、食生活は「何を食べるべきか」という意味合いに変わってしまいました。

まさしく、自然条件を無視した食に変わってしまったのです。それは実は、西欧の食生活を良しとし、欧米に追い付け追い越せの時代に生まれた「栄養改善普及運動」が原因でした。

食生活が欧米化したから、生活習慣病が増えましたよ、だから和食をもっと食べましょうなんて栄養士さんは今さら言いますよね。(私も栄養士)しかし、西欧の食を積極的に取り入れたのは、他でもない当時の政府の高官達と、栄養学者だったのです。

しかし、西欧の食生活を取り入れたその流れは今でも形を変えつつもまだ続いています。(乳製品がバランスのよい食事に入っていたり)

この事実と共に、今までの様々な体験から、今の栄養学に疑問を抱き続けています。

果たしてバランスのよい食事とされている今の食事は、本当にバランスが良いのか。自然に根差した今までの日本人の食事は、本当にバランスが悪かったのか

これからもそういうことを探求していきたいと思います。

まとめ

=MEMO=
・昭和30年代からママたちが献立に悩むようになった
・それまでは食事に悩む人はいなかった
・昭和30年代の「栄養改善普及運動」でバランスのとれた食事を広めてから、ママたちが献立に悩むようになった
・昭和30年代より以前の日本の伝統食は、シンプルで栄養価も高く、献立も簡単

【昭和30年代以前の日本の伝統食】
ご飯・味噌汁・漬物・手に入った魚介類や豆類、季節の野菜やイモ類を足す
この型を常に頭に入れるのが迷わないコツ

きぶんやママ
きぶんやママ

献立に悩むようになった背景が見えてきましたね。

昭和30年代以前の日本の伝統食は、シンプルで調理法も簡単!

手に入る食材も限りがあるので、迷いようがありませんね。

【給食】どうして学校給食に必ず牛乳が出るの?

牛乳と給食
子どもたち
子どもたち

なんで給食には必ず牛乳がでるの?

きぶんやママ
きぶんやママ

実は出さないといけない決まりはないんです。

でも、どうしても出さなければならない事情があります。

元学校給食栄養士だった筆者が解説します!

結論から言うと

牛乳を入れないと、決められたカルシウム基準値を満たせないから

基準値って何?

日本人が生活習慣病の予防ができるように、「日本人の食事摂取基準」というものを厚生労働省で作成しており、各種栄養素の基準値を決めています。

この基準は、一日にとる栄養素量が示されているので、それを給食(昼食)だけでどのくらいとるかを、文部科学省が「学校給食摂取基準」として新たに作成しています。給食ではだいたい、各栄養素の約1/3量がとれるように、基準値が決められています。

しかし、ビタミンCを除く各種ビタミン群、鉄分、食物繊維は、一日の40%を満たさなければなりません。なかでも「カルシウム」の基準値は高く、これだけは一日の基準値の半分量、つまり50%を給食でとらなければならないとされています。

この理由については、各家庭での食事で不足しがちなので、それを給食で補うという理由ですが、文科省の基準では、「献立作成の実情に鑑み、50%を基準値とした。」の一言で片づけられています。

なぜカルシウムだけが一日の50%という高い数値に設定させているのか。これは、もしかして「牛乳を飲ませたい」「牛乳を給食で消費したい」という、裏の力が働いているような気がして仕方がありません、、。

=MEMO=
カルシウムだけは、一日の必要量の半分を給食の1食からとらないといけない

牛乳を入れないと、カルシウム量が満たせない

小学校に通う子ども達が、給食でとるカルシウム量は、学年別で違いますが、中学年(3,4年生)では350mg。

しかし、この350mgという数字、もし牛乳を献立に入れないとすると、かなりハードルの高い数字です。

学校の牛乳に関する論文に、次のようなものを見つけました。全国の優れた学校給食72を抽出し、カルシウム量を調べたものです。

“これらの献立から牛乳のカルシウム量220mgを差し引いた場合のカルシウム量を調査した結果、1つの献立を除いたほぼすべての献立で350mg(8~9歳の学校給食摂取基準におけるカルシウム量)に届かず、平均180mgとなっていた。この結果から、多くの学校給食献立において、カルシウムを摂取させる手段として、牛乳に依存している現状があることがわかる。”
引用元:長崎大学「大学生とその家族を対象としたカルシウムと牛乳の摂取に関する調査」論文より引用

普通に献立を作っても、350mgのカルシウムはなかなか満たせないのが現状。しかし、そこに牛乳を入れると、途端にカルシウム基準値に近づくのです。だから、牛乳をどうしてもやむなくいれているという現状があります。

もしかして、そもそもこの基準値は、「牛乳ありき」で数値が決まっているのではないかと思ってしまうほどです。

=MEMO=
牛乳を入れずに献立を作ると、どうしても必要なカルシウム量を満たせない

文科省も牛乳摂取を勧めている

しかも、学校給食を管轄している文科省も、学校給食実施基準でこのように記しています。

“さらに、「食事状況調査」の結果によれば、学校給食のない日はカルシウム不足が顕著であり、カルシウム摂取に効果的である牛乳等についての使用に配慮すること。なお、家庭の食事においてカルシウムの摂取が不足している地域にあっては、積極的に牛乳、調理用牛乳、乳製品、小魚等についての使用に配慮すること。”
引用元:文部科学省 学校給食実施基準の一部改正について学校給食実施基準の一部改正について 平成30年公布より

積極的に牛乳、調理用牛乳、乳製品、小魚を使用しなさいということですね。

学校栄養職員、栄養教諭のみなさんは、これを元に献立を作成しているわけです。

=MEMO=
文科省も積極的な牛乳の使用をすすめている

学校には牛乳が飲めない子もいるのに

しかし、私は思うのです。学校には牛乳を飲めない子もいるという現実があります。

大人だって、牛乳を飲むとお腹がなんとなくゆるくなったり、ゴロゴロしたりということがある方いらっしゃいますよね。(乳糖不耐症の方など)大人の栄養相談だと、そういう方には別のものでカルシウムをとりましょうという指導がなされると思います。

息子の小学校でも、牛乳を毎日飲まない子が何人かいると聞きます。そういう子は、慢性的にカルシウムが足りないという状況になっていますよね。

カルシウムを多く含む食品を、もっと積極的に教えなければならないし、そういう食品を積極的に使用しなければならないと思います。

私自身も、たまに「カルシウムたっぷり献立」を提供しました。その時に、子どもたちに、カルシウムが多く含まれる食品を紹介するのですが、それは毎日ではありません。

牛乳が飲めない子がいるのであれば、毎日そういう献立が出されなければなりません。しかし、それも次のような問題があります。

=MEMO=
学校には牛乳が飲めない子もいる。牛乳に頼らず、カルシウムを多く含む他の食品の積極的な使用が必要

もし牛乳なしの献立でカルシウムをとろうとすると?

小魚や貝類、大豆製品、ごまなどの種実類、わかめなどの海藻類は、カルシウム量の多い食品としてあげられます。それらを使えれば、牛乳が飲めない子もカルシウムがとれます。

これらの食品を想像すると、和食が思い出されます。私は、できれば毎日の食事をすべて和食にしたいとも思っていました。文科省でも、和食を増やすということを奨励しています。しかし、多様な献立が求められる昨今では、それは難しいことです。

先の長崎大学の論文では、学校給食終了と共に牛乳を飲まなくなる子どもたちが、カルシウム不足に陥っていることを指摘しています。

牛乳が飲めなくても、こういう食事をとればカルシウムをとれるんだよいう献立が増えていってくれれば、学校給食が終了しても、子どもたちは自分で選びとる力がつくように思います。

=MEMO=
多様な献立が求められる現代ではなかなか難しい

まとめ

きぶんやママ
きぶんやママ

カルシウムだけは、一日の必要量の50%を給食でとる必要があるため、どうしてもカルシウムの多い牛乳を出さざるを得ない現状があるのです。

子どもたち
子どもたち

牛乳が飲めない子もいるってことを忘れてほしくないな。

ママさん
ママさん

カルシウムというと「牛乳」と思ってしまいました。

和食でよく使う食材にも、カルシウムは入っていたんですね。

きぶんやママ
きぶんやママ

牛乳に頼らず「カルシウムをとる」ということも必要なのではないでしょうか。